転勤のある会社に勤めていると、家庭を持つ誰もが「単身赴任」になる可能性があります。
なぜなら、学校に通っている年齢の子どもを簡単に転校させられないし、家を買ってしまうとなかなか動けないからです。
しかし、単身赴任をすると別の場所に住まいを確保し、生活していくわけですから、当然お金がかかります。
平均で月に12~14万円ともいわれる生活費をうまく節約するには、どうすれば良いのでしょうか。
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目次
節約ポイント1:住宅費
生活費の中でも特に多くのウエイトを占めるのが住居費なので、もし会社の寮に入れるなら入ったほうがいいです。
また、会社によっては指定エリア内であれば家賃の補助をしてくれることもあるので、そうした制度も賢く活用していきましょう。
できるだけ避けたいのが、家賃の安さにこだわるあまり、会社や駅から遠いところに部屋を借りてしまうことです。
単身赴任をすると「家族のしがらみに縛られず、思いっきり仕事をしてもらえる」と考える会社が多いので、激務の上に時間をかけて通勤しなければならないという状況に陥り、その結果体を壊してしまう人も少なくありません。
ムリのない距離で家を借りるほうが、負担が減ります。
節約ポイント2:食費
一人暮らしだとついコンビニや外食に頼りたくなります。
毎日だと出費もかさみ、健康面でも不安なので自炊をしたほうがいいのですが、仕事をしながら毎日食事を作るのは実際にやってみると大変です。
そこでおすすめなのが、次のような方法です。
・ 週末におかずの作り置きをする。ご飯も多めに炊いて冷凍しておく。
・ 妻の都合がつけば、単身赴任先までおかずを作りに行く。冷凍すれば1か月ぐらいもつものを中心にストックする。クール便で送ってもいい。
・ お弁当を買う時は、割高なコンビニではなくスーパーを利用する。
・ 飲み物はマイ水筒に入れて持ち歩く。
・ 毎日スーパーに寄ると余分なものも買ってしまうので、週末にまとめ買いをする。
・ すぐに食べられるレトルトやインスタント食品を常備しておく。
・ 安い定食屋さんを見つける。
筆者の経験談
筆者の父親は家では何もしない亭主関白な人でしたが、長年の単身赴任で料理の楽しさに目覚めたらしく、母と一緒に遊びに行った時に手料理をふるまってくれたのには驚きました。
本人も「俺にだってこのぐらいできるんだぞ」とうれしそうでした。
節約ポイント3:帰省費用
まだ小さい子どもがいると、単身赴任先から頻繁に帰省したいと思うものですが、新幹線代や飛行機代もかなりの費用がかかってしまいます。
会社から帰省費用の補助が出るところは良いですが、そうじゃないなら次のような方法で交通費も賢く節約しましょう。
・ 飛行機を使ってマイルを貯める。
・ 航空会社の早割サービスを利用する。
・ 多少割引きになる、新幹線の回数券を使う。
・ 料金が割安な夜行バスを利用する。
帰省費用は高額になりがちなのでつい回数を減らしたくなりますが、子どもとの関係を円満に保ちたいならできるだけ頑張りたいところです。
筆者の経験談
筆者の父親は最初こそ2週間ごとに帰ってきていたものの、それがだんだん1か月に1度…2か月に1度となり、子ども心に「お父さんは私たちに会いたくないのかなぁ」と寂しく感じたものです。
特に思春期の子どもには父親不在の状態が悪影響を与えやすいので、可能な限り帰省して顔を見せてあげることをおすすめします。
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節約ポイント4:光熱費
男性には几帳面な人もいれば細かいことを気にしない大ざっぱな人もいますが、夫が後者だった場合、妻の目が行き届かないのをいいことに「電気つけっぱなし」状態になる可能性は大いにあります。
これを防ぐには、タイマー機能の使える家電製品を購入するのがおすすめです。
時間になると電源の切れるホットカーペットなど、便利なものを探して使ってみましょう。
また、ガス代はプロパンガスより都市ガスのほうが安いので、部屋を借りる時はできるだけ都市ガスのところを探したほうが良いです。
節約ポイント5:交際費
交際費も、1人になった気楽さでドカンと出費の増えやすい項目です。
単身赴任する本人が、今までに家計管理をしたことがない場合はとくに注意が必要です。
筆者の経験談
筆者の父親はもともと人付き合いが好きだったこともあり、単身赴任先では毎晩のように飲み歩いていました。
そこで母がとった解決策は、「クレジットカードの没収」と「おこづかいの定額制導入」です。
適度にストレス発散できる程度の額はきちんと渡すけれど、父には人におごる癖があったので、気前よく散財してしまわないよう、決まった額しか使えないようにしました。
少しかわいそうな気もしますが、交際費を自分でコントロールできない人に関しては、これぐらいきちっとしなくてはキリがありません。
外で飲むのが難しくなった父は、自分の部屋に同僚を招くなどの工夫をして交際費を節約したようです。
二重生活をしながらのやりくりは大変
筆者の実家でも父の単身赴任中はなにかとお金がかかっていたようですが、単身赴任中の夫を持つママ友に聞いてみても、やはり二重生活をしながらのやりくりは大変なようです。
節約にも限界はありますが、子どもの教育費を確保するためにもできるだけ財布の紐を締めていきましょう。
ワンオペ育児になることで妻にも大きなストレスがかかるので、ドカンと爆発してしまわないよう、自分の楽しみに無理のない金額のお金を使うことも大切です。(執筆者:畠山 まりこ)