「3月末に（定年）退職したら、次はやってみたかったあの仕事を…」
などと思い描いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながら、ブランクがあったり、未経験の分野に飛び込むといった時には少し勇気が必要です。
今回は、無料の「職業訓練」を紹介します。
職業訓練を受けた後に「未経験でもOK」の仕事で実績を積めば、その分野で活躍できる道が大きく広がります。
目次
職業訓練とは
職業訓練とは、簡単に言うと、ハローワーク（公共職業安定所）が主催している、無料で受けられる学校のような授業・訓練です。
仕事を探している（求職中の）人が、再就職に役立つスキルを身につけるためのものです。
学べる内容は、IT系や経理、福祉・医療、そしてネイリストなどの美容分野まで幅広い分野に亘ります。
どのような人が対象なのか 失業中でないと受けられないのか
筆者も「失業保険をもらっている人しか受けられないのでは？」と思い込んでいましたが、仕事を探している方なら受講可能です。
実際に、ハローワークの職業訓練窓口の方に詳しく聞いてみました。
ハローワークの職業訓練窓口担当者とのQ & A
Q：職業訓練はどのような方が受けられるのですか？
A：お仕事を探されている方なら受講可能です。
Q：就職したいという希望があるなら、誰でもOKなのでしょうか？
A：基本的には大丈夫です。
平日は毎日授業がありますので、通学のお時間が取れる方が対象です。
欠席が多いと退学になってしまいます。
Q：年齢制限などはあるのですか？
A：コースによっては受講基準（例：40歳以下対象など）を設けている場合があります。
Q：特別な配慮があるコースなどはありますか？
A：独り親家庭の父母の優先受付枠があるものや託児付きのコース、障がいのある方を対象としたコースなどがあります。
Q：訓練終了後に就く仕事は正社員以外でもOKなのでしょうか？
A：はい、派遣やパートタイムのお仕事でも大丈夫です。
1か月以上の雇用が見込まれること、週20時間以上の就業（雇用保険への加入）が必要です。
詳細については、管轄のハローワークで確認されることをおすすめします。
求職者支援訓練のコースの種類・期間
(1) 基礎コース（民間委託）
社会人としての基本的なスキルや、基礎的なPCスキルなどを習得する訓練です。
3～4か月程度のコースがメインです。
ブランクの長い方や初めてのオフィスワークを希望される方に適しています。
(2) 実践コース（民間委託）
実践的なスキルを学ぶための訓練です。
プログラミングやWEBデザイナー・クリエーター養成などのIT系、経理や医療事務などの専門的な事務系、介護系など幅広く設定されています。
3～6か月、基礎コースより少し長めのコースです。
(3) ポリテクセンター、職業技術専門校などで学ぶコース
こちらは地方自治体が設けているコースです。
金属加工や電気通信、建築設備系など、高専（高等専門学校）で学ぶような科目がそろっています。
受講期間が最大2年と長く、技術がしっかりと身につきます。
受講料
受講料は無料です。
筆者の場合には、テキスト代以外は徴収されませんでした。
テキスト5冊程度の購入で約1万円でした。
こちらも、コースによって異なります。
また、交通費には学割が適用されない点はご注意ください。
申込方法
まずは最寄りのハローワークに行きましょう。
「求職申込書」を記載・登録した後に、職業訓練の担当窓口で訓練申し込みの相談をすればOKです。
応募するまでに数回の面談が必要なので、余裕をもって行きましょう。
学びながらお金がもらえる「求職者支援制度」
という方には、月に10万円が支給される支援制度があります。
厳しめの基準がありますが、あきらめる前にぜひ審査基準を確認してみてください。
スキルだけではなく規則正しい生活も身に付く
無料でスキルアップできる職業訓練は、スキルだけではなく規則正しい生活が身につき、再就職がグっとラクになるメリットもあります。
人生100年時代、のびやかに生き抜くには学び直しも大切です。
今までの人生では出会わなかった個性豊かな方たちと知り合えて、筆者にとっては本当に有意義な時間でした。
今でもたまに会って勉強会を開催しています。
これから就職や転職を考えている方は、足を運んでみてください。 （執筆者：安藤 鞠）
