今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、国内外に大きな影響を与えています。
個々の家計にも大きく影響を及ぼしていることから、政府は全員に対して1人あたり10万円を給付する特別定額給付金を実施しました。
約10年前の時のリーマンショックの時の給付が1人当たり1万2,000円でしたので、まさに家計が緊急事態であると言えます。
では、この特別定額給付金はどのように使うべきでしょうか。
目次
使い道は「生活費に充てる」が約半数

今回の特別定額給付金は、例えば4人家族であれば40万円給付されるため、まとまった金額が給付される家庭も多いことでしょう。
この特別定額給付金の使い道を調査した複数のアンケート調査によると、食費などの「生活費に充てる」という回答が多かったようです。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学校の休校措置、外出自粛、在宅勤務を積極的に推進する企業の増加など、生活環境は大きく変わりました。
「LINE家計簿」のアンケート調査によると、家計の支出が増加した家庭は全体の約4割にものぼります。
その増加分の補填と考えるのは自然な流れでしょう。
アフターコロナの経済はどうなるのか
今回の新型コロナウイルスの影響により家計は厳しくなってしまいましたが、ある程度まとまった給付金が入るのはめったにないことです。
ついつい気が大きくなってしまいますが、そこには注意したいものです。
「生活費に充てる」以外の場合であれば、貯蓄するという方も多いことでしょう。
中には、住宅ローンの繰上げ返済や資産運用に回すといった使い道を考える人もいると思います。
緊急事態宣言が解除されることによって、「新しい生活様式」などアフターコロナについての話題が増えてきました。
それと同時に、経済の悪化にもより注目が集まっています。
今後起こり得る「不景気」
3月頃には「感染拡大が終息したあとは経済がV字回復する」と言われていました。
しかしその後、「U字回復」や「当面の間は厳しい」など、経済の先行き予想も雲行きが怪しくなってきました。
経済の見通しが悪くなれば、当然のことながら私たちの家計にも影響が出ます。
具体的には、給与の削減や賞与カットなどが挙げられます。
現時点では勤務先の業績に影響がない場合でも、今後業績が厳しくなっていく可能性はあります。
「今、問題ないからウチは大丈夫」と思うのではなく、「今後起こり得る不況にどう立ち向かうのか」を考えることが大切です。
給付金の使い道

この特別定額給付金の使い道で「生活費に充てる」場合には、一時的な応急処置であるという認識が必要です。
「特別定額給付金の2回目・3回目の給付があるかどうか」という点については、疑問が残ります。
そのため、
を考えてみましょう。
住宅ローンの繰上げ返済に充てれば、支払利息を軽減できます。
また、一部を資産運用に充てれば、長期的に見れば資産の増加につながることでしょう。
預金(現金)を手厚く保有
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は今回で終了ではなく、第2波や第3波も予測されています。
その際に必要となるのは預金(現金)です。
住宅ローンの繰上げ返済や資産運用に充ててしまうと、緊急時の資金としては使えません。
企業と同じように家計も緊急事態が予測される状況においては、
ことが必要です。
住宅ローンの繰上げ返済や資産運用に充てることについては、今回の新型コロナウイルスの影響が終息したあとに考えてみてください。
今回の特別定額給付金の支給されるスピードを見ても、困ったときにすぐに手元に何らかの給付金が得られる保証はどこにもありません。
そして、今回のさまざまな給付金の影響により、将来的な増税も十分に考えられます。
そのときには、家計にしわ寄せがくることになります。
他の給付金などの制度も各自で確認
最後に、各都道府県や市区町村では独自の支援をしています。
自動的に給付されるものもあれば、申請が必要な場合もあります。
お住まいの都道府県や市区町村のホームページをご確認ください。
また、今回の新型コロナウイルスの影響を考慮し、大学などの各学校では延納手続きをすることで納入期限を延ばせるところもあります。
政府は授業料減免の大学を助成する方針を出していますので、授業料の減免措置を受けられる可能性もあります。
学校のホームページなどで情報をしっかりと確認しておきましょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)