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【賃貸入居者用の火災保険】3つの役割と補償範囲 相場・支払い方法についても解説

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【賃貸入居者用の火災保険】3つの役割と補償範囲 相場・支払い方法についても解説

アパートやマンション等に賃貸で入居する時に加入するのが賃貸用の火災保険です。

「入居時のいろいろな書類に紛れてこの火災保険に加入した」

「大家さん、または管理会社から入らないとダメですといわれたので加入した」

といった具合に加入したものの「正直なところ何の保険かよくわからない」という人が多いのがこの火災保険です。

この賃貸用の火災保険の役割と中身は意外と複雑なのです。

その内容について以下で解説していきます。

【賃貸入居者用の火災保険】 3つの役割と補償範囲

賃貸用の火災保険は大きく3つの役割

賃貸用の火災保険は大きく3つのパートに分かれており、賃貸用と明記してある火災保険に加入すれば、次の3つのパートは原則的に補償されています。

1. 入居者の「家財対しての火災保険」

2. 大家に対しての賠償責任「借家人(しゃっかにん)賠償責任特約」

3. 他の入居者に対していの「賠償責任(個人賠償責任)特約」

1. 家財に対しての火災保険

入居者が住んでいる間に部屋で火事が発生したり、破裂・爆発などで入居者の家財が損害を受けた場合に補償されます。

2. 借家人賠償責任特約

賃貸用の火災保険の1番に大切な特約です。

家財の火災保険だけの加入ではカバーできないものが、入居者が部屋に損害を与えた時です。

賃貸の場合は入居者は部屋を借りている状態なので、部屋に損害を与えたときには修理代を「弁償する」という扱いになるからです。

この火災保険に入っていない場合、部屋に損害を与えた入居者は修理代を自腹で大家さんに支払わなければなりません

この賃貸用の火災保険に加入していれば、借家人賠償責任特約から大家さんに修理代が支払われます。

仮に入居者が火災保険に未加入で、入居者にお金がなかった場合には泣き寝入りすることになるかもしれません。

「分割払いにしてほしい」、「少し待ってほしい」など修理代の支払いについてあれこれ交渉したとしても、大家さんにとっては厄介なのものです。

大家さんや管理会社が賃貸用物件の入居者に火災保険をおすすめするのは、この特約に加入をしてほしいからです。

具体的な例を挙げると、

・ トイレ詰まりで水があふれてしまい、住んでいる物件の共用部分に破損・汚損を生じさせてしまった

・ 大型テレビを倒して壁や床に大きな穴を開けてしまい、大家から修理代を請求された(ひっかき傷程度の小さな傷では対象外になることがあります)

などの広範囲の事象に対応しています。

3. 個人賠償責任特約

借家人賠償責任特約が大家さんへの賠償責任なのに対して、個人賠償責任特約は他の入居者に対して損害を与えた場合のものです。

こちらも、火災保険だけでは対応できず、他の入居者に「弁償する」という扱いになります。

よくあるのが、洗濯ホースから水が漏れて下の階まで達してしまい、下の階の入居者の家財を破損させてしまったというケースです。

古い物件では、頻繁に起こる事故です。

加入していないと、加害者は被害者に自腹で弁償する必要があります。

火災保険に個人賠償責任特約があり、要件に該当すれば被害者に保険金が支払われます

保険に未加入の場合の入居者同士の金銭のトラブルに巻き込まれたくないことから、大家さんや管理会社としては加入してほしい特約なのです。

火災保険のご案内

賃貸用の火災保険の相場と支払方法

賃貸物件用の火災保険の保険料は2年分を一括払いで支払うのが一般的です。

入居する物件が

木造:2年分で約2万円~3万円

鉄骨・鉄筋コンクリート造:1万円~2万円

が一般的な相場です。

賃貸物件用の火災保険はある程度パッケージ化されている商品ですが、補償範囲や保険金額などは変更可能です。

分割払いにすることも可能です(対応できない保険会社もあります)。

しかし、賃貸用の火災保険は、保険を販売する大家さんまたは、管理会社などが手にする手数料が極めて低いのが実状です。

分割払いにされると赤字になることもあります。

あまり細かい補償内容を詰めることなく、AパターンかBパターンかの二者択一のように、パッケージ商品で決めてほしいと考えているのが正直なところでしょう。

ただし、2年分の保険料の支払いがどうしても大変だという際には、ほとんどの保険会社が分割払いに対応可能なので交渉してみましょう。

大家さんや管理会社も「火災保険に加入してもらえないよりはマシ」だと考えてくれるはずです。

指定の保険会社以外の火災保険に加入する場合

実のところ、大家さんや管理会社から指定された保険会社の火災保険に加入する必要はありません

しかし、たくさんの入居者がいる中で各戸が異なる保険会社の火災保険に加入していると管理が煩雑になるので嫌がられます。

気持ちよく入居するためにも、基本的には大家さんや管理会社のすすめる保険会社で加入したほうがよいと言えます。

仮に、自分で他の保険会社の商品に加入する場合には

・ 大家さんや管理会社に補償内容の了承を得たうえで加入する

または、

・ 1年に1度は加入している内容を報告する

のが入居者としてのエチケットだと言えます。

入居期間中には必ず加入・更新

賃貸用の火災保険は入居している限り、更新しなければならないので一般的には2年に1度くらいの頻度で火災保険料の負担が発生します。

しかし、この賃貸用の火災保険がかなり広範囲の事故をカバーすることを考えると保険料は決して高いとは言えません。

支払いが大変であれば、補償の見直しや支払方法を分割してもらうなどの交渉をしてみましょう。

また、入居期間中は更新を忘れないようにしましょう。(執筆者:CFP 金子 賢司)

《金子 賢司》
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金子 賢司

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP、住宅ローンアドバイザー、生命保険協会認定FP、損保プランナー 寄稿者にメッセージを送る

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