「そろそろ9月の飲食系株主優待銘柄を仕込みたいけど、再びのコロナ不安により株価は下げる一方で、いったいいつ買えばよいのか分からない」

という声も聞かれます。

株価の底を当てることは至難の業ですが、ヒントになる株価の動きというものは存在します。

その中でも、コロナ相場で株価上昇を続ける小売業の株価との連動性について説明していきます。

株価下落が止まらない小売業の業種

まずは、小売業のいくつかの銘柄の動きを見てみましょう。

1. 飲食:すかいらーく(3197)

すかいらーく(3197)
≪画像元:MINKABU THE INFONOID

全国展開するガストをブランドに持つすかいらーくは、東京で1日あたりの新規感染者数が3桁を超え始めた6月下旬から株価は下げ始め、7月下旬にはさらに安値を更新しています。

2. 居酒屋:鳥貴族(3193)

鳥貴族(3193)
≪画像元:MINKABU THE INFONOID

東京を中心に居酒屋を運営する鳥貴族は6月頭から株価が下げ止まりません

7月下旬には居酒屋に追い打ちをかけるように、東京都が酒類を提供する飲食店とカラオケ店に営業時間の短縮要請を発表しています。

それを受けて7月下旬に大きく株価は下落しました。

このように飲食を中心に小売業の株価下落が目立ちます

株価上昇に転じている小売業の業種

一方で、株価の上昇が止まらない小売業種も存在します。

1. スーパーマーケット:ライフコーポレーション(8194)

ライフコーポレーション(8194)
≪画像元:MINKABU THE INFONOID

食品スーパー大手のライフコーポレーションは、飲食企業とは反対に7月から株価が大きく上昇しています。

2. ドラッグストア:ウェルシア(3141)

ウェルシア(3141)
≪画像元:MINKABU THE INFONOID

ドラッグストア最大手のウェルシアも7月中旬から株価は上昇しています。

3. ホームセンター:DCMホールディングス(3050)

DCMホールディングス(3050)
≪画像元:MINKABU THE INFONOID

ホームセンター最大手のDCMも6月中旬から株価は上昇を続けています。

小売業の中でも値動きに差が出る理由

小売業の中でも「株価が下げ続ける業種」と「上げ続ける業種」が出るのはなぜでしょうか。

株価の差は「ロングショート戦略」が要因の可能性

株式の「ロングショート戦略」とは、ある株式を買い(ロング)、ある株式を売って(ショート)株式市場の急落による資産価値の低下を防ぎつつ、買いと売り両方で利益を狙う戦略のことです。

ただし、市場全体の急上昇時のリターンは低下します。

ヘッジファンドや熟練の投資家が好む手法です。

「ロングショート戦略」では、勝ち組企業を買い、負け組企業を売ることが多いです。

まさに6月以降の株式市場では、前述の業種で「ロングショート戦略」が活発に行われたと考えられます。

飲食企業の買い時とは

下げ続ける飲食銘柄の「買い時」と「判断基準」
「ロングショート戦略」では、買っている銘柄を決済するタイミングで同時に売っている銘柄を買い戻します。

従って、「勝ち組業種」の株価の上昇が止まり、売られ始めたタイミングで飲食企業を買うという戦略が考えられます。

買い戻しによる「負け組業種」の株価リバウンドを期待できるからです。

「勝ち組業種の株価上昇が止まる」判断基準

「勝ち組業種」の株価上昇が止まるという具体的な判断基準には次の例があります。

・ 市場全体が上昇している日に「勝ち組業種」の株価は下がっている

・ 決算で好業績を発表したが「勝ち組業種」の株価はあまり上昇しない、もしくは下落した

・ 特に材料は見当たらないのに相場を主導していた「勝ち組業種」の銘柄が急落した

飲食業で大きくリスクを取ることはおすすめできない

今回は飲食業の買い時の一例を示しましたが、ナンピン買いして株数が増えすぎてしまうなどのリスクが高い手法は避けるべきことでしょう。

ワクチンが開発される等のポジティブ要因がない限り、今後も飲食業界はコロナ対策を十分に取るための経費がかかるうえに、お客さんが以前のように戻るか不透明です。

株主優待目的のような、低いリスクでコロナ相場を乗り切る手法をおすすめします。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)