銀行から送られる郵便物には意味があり、気をつけないと困ることになる可能性もあります。
銀行から送られる物は、個人宛の重要なお知らせもあれば、セールスレターなど、いろいろです。
この記事では、注意すべき2つのタイミングを例に解説します。

目次
1. 新規で口座を作ったあとのタイミング
銀行で口座を作るのがかなり面倒くさいことは、経験した人ならわかると思います。
住所氏名など個人情報を細かく書くだけでも手間なのに、
「なんのために使うのですか 次から選んでください」など
質問まであります。
銀行に口座を作るだけなのに、どうして細かく聞くのかと疑問に感じる人も多いと思います。
しかし、銀行で口座を新しく作るとき、ここまで面倒になったのは、マネーロンダリングを防止するため、厳しく本人確認するよう法律で決められているからです。
本人確認が厳しくなった背景
ここでは、本人確認の定義と厳しくなった背景を簡単に並べます。
下部の詳しい説明をご覧ください。
本人確認とは
銀行取引で他人になりすましたり、架空の名義を使ったりしていないかなど、間違いなく本人であることを確認することです。
・ 本人確認は、犯罪収益移転防止法で規定され、平成25年の法改正から、より厳しくなった
・ 個人では口座開設等で氏名、住所、生年月日などに加え、職業や口座を作る目的についても確認するようになった
・ 法人の場合も、法改正により基本情報に加えて、口座を作る目的や会社の事業内容、議決権を持っている人の有無や、その人の氏名、住所なども確認するようになった
・ 本人確認は、個人なら原則として写真入りの確認書類が必要
保険証など写真入りでないと、他の確認資料が必要になる場合もある
参照:一般社団法人全国銀行協会
銀行は郵便を使って居住確認している

本人確認が厳しくなったことで、銀行から郵送する書類の扱いも厳しくなりました。
例えばキャッシュカードは原則として親展、転送不要で郵送します。
親展とは本人限定、そして転送不要にすると、郵便局は転送しません。
転送不要は、差出人(ここでは銀行)が「この人がそこに住んでいなければ、転送しないで私(銀行)に戻してください」という意味です。
もしあなたが転居していると、郵便の転送届けを出していたとしても、キャッシュカードなどは転送してくれません。
キャッシュカードが転送不要なのは、もちろん家族含め本人以外には渡せないからです。
しかし結果的として、郵便局が「その人が住んでいるか」を調べてくれたとも言えます。
ちなみにキャッシュカードを作らなかった場合にも、取引のお礼状などを親展、転送不要で送る銀行もあります。
もちろん純粋にお礼状なのですが、居住確認の目的も含まれています。
このようにして郵便が配達できないと、
「居住確認ができませんでした」
といった理由で銀行に戻ってきます。
そうした郵便が届かず、住んでいないと判断されると、問題になる時があります。
銀行では郵便が届かないとマークされる
郵便が届かないと、場合によって銀行にマークされることもあります。
口座を作った目的が怪しいとか、自宅から離れた支店で口座をつくるとか、不審な点があると銀行はいろいろ調査をします。
そして調査の結果、不審な点や疑問が払拭されないと、当局に報告することになっています。
これは「怪しい取引、不自然な取引」などと呼ばれています。
このように、口座を作ったあと郵便が届かないと、他にも問題がある場合など、より厳しく見られてしまいますので、注意が必要です。
とにかく連絡して「対処」

対処法は、とにかく何か変わったら銀行に連絡することです。
・ 仕事で長期間留守にしていた
いろいろ事情はあると思いますが、とにかく、とりあえず銀行に連絡しましょう。
住所変更など手続きは後でやるとしても、「自分は怪しくない」と証明することが大事です。
これとは逆に、良くあるのが不在時に郵便配達が来て不在通知があったのに、忙しくてそのままにしてしまった、というケースです。
疑われることはあまりありませんが、この場合は銀行へキャッシュカードを受取りに行く必要があります。
キャッシュカードは再配達してくれない銀行が多いので、不在通知を見たら、必ず連絡してください。
そうしないと、かえって面倒になります。
2. ローンを借りたあとのタイミング
たとえば住宅ローンを借りたあとは、契約書類の控えや借入明細などが送られてきます。
これも届かないと、問題に発展する可能性があります。
ローンの郵便が届かないと問題になる理由が2つあります。
【理由1】お金を貸した人が行方不明になると問題
融資取引をする相手(債務者)の居所を把握しておかないと、返済が滞ったとき、対応が後手になってしまいます。
こうした理由から、銀行でお金を借りた人は、転居など変更があったときは速やかに連絡することになっています。
これは、借用金証書などの契約書類に記載されていて、署名なつ印したことで銀行と約束しているのです。
期限の利益喪失について
銀行に転居したことを伝えず、その後も音信不通になると、最悪のケースでは「借入を全額返済しろ」と言われる可能性もあります。
所在不明になると、所定の期間、所定の手続きを経てから、全額返済を求められても異議は唱えられないことも、契約書類に書かれています(期限の利益喪失と言います)。
一般的に所在不明になっただけでいきなり期限の利益を喪失するわけではなく、返済が遅れた場合などの話です。
契約としては、住宅ローンを借りたすべての人に当てはまりますので、ぜひ覚えておいてください。
【理由2】住むはずなのに、そこに住んでいないと問題

こちらは特に住宅ローンに関連することです。
最近住宅ローンと偽った不動産投資が、問題になっているからです。
住宅ローンと偽った不動産投資
たとえば住宅ローンでマンションを買って、自分は住まず人に貸して家賃をもらうケースのことです。
これは不動産投資であり、住宅ローンと偽るのは低金利で返済年数が長いメリットを悪用したいからです。
言うまでもなく、これは虚偽の申込みなので、露見すれば全額返済を求められる可能性が高いです。
また内容が悪質なら、詐欺など犯罪と訴えられる恐れもあります。
このような理由から、住宅ローンを借りたあとに郵便が届かないと、銀行から疑われる恐れもあります。
住んでいないと必ずバレる
住宅ローンと偽った不動産投資は、郵便が届かなかったことでバレることがあります。
このケースでは、ローンを借りて住民票をマンションに移し、住んでいると偽装し、ほとぼりが覚めると、住民票を本来の住所にもどします。
しかし、上記した転送不要郵便がおくられると、当然ながら転送されません。
これがきっかけでバレる場合があります。
転居時期を銀行に伝えておく
あらぬ疑いをかけられないように、転居の時期などは銀行や郵便局に前もって伝えおくことが大事です。
伝えたからといって、必ず転送など対応してくれるわけではありませんが、しっかり連絡したことで悪いことをしていないと主張したことになるからです。
虚偽の申告は危険
「なにかあったら銀行に連絡する」これだけでもかなり効果があります。
現在は本人確認が厳しくなり、このような事例は減っています。
それでもとにかくお伝えしたいのは、銀行取引でウソはいけません。
これは、なにも銀行取引に限ったことではありませんが、銀行取引でうそをつくと、大変なことが自分に跳ね返ってくる恐れがあります。
住宅ローンと偽った不動産投資では、悪質な業者にだまされて利用される人もいます。
あなたも悪徳業者にだまされて、言われたままに動いて、知らない間に偽装融資の共犯者になっているかもしれません。
「バレたらマンションを売って、ローンを返せば終わり」
という考えて、虚偽の申告をすると自分が困ることを覚えておいてください。(執筆者:加藤 隆二)