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【投資】避けて通れない「リスク」のとり方 物価上昇率を上回る利回りで運用のすすめ

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【投資】避けて通れない「リスク」のとり方 物価上昇率を上回る利回りで運用のすすめ

2020年は大変な年になりました。

さて、今年最終回は、投資では避けて通れない「リスク」についてお話ししたいと思います。

リスクをどう考えればよいのかというご相談はよくいただきます。

避けて通れない「リスク」のとり方

物価上昇率を上回る利回りで運用する

投資では「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」という言い方をしますが、高いリスクをとれば必ず高いリターンが得られるということではありません。

しかし、リスクを取らなければリターンも見込めません。

資産運用の目的のひとつに、「将来インフレになっても商品やサービスを買う力を減らさないようにする」ことがあります。

長くデフレが続いていたので、将来モノの値段が上がることを想像できないという人も多いかもしれません。

デフレ下でも教育費は年々上がってきましたし、長い期間で考えると物価が上がることは想定しておくべきでしょう。

物価上昇率を上回る利回りで運用できれば、購買力(商品を買う力)は減らないと考えられます。

個人的には資産の一部は運用するのがよいと思っています

しかし、考え方はひとそれぞれですので、「リスクのとり方」について考えてみたいと思います。

公的年金をベースに考える

長い老後を支える収入のベースは公的年金です。

多くの人は、年金にプラスして、現役時代に作った資産を少しずつ取り崩しながら生活することになるでしょう。

将来物価がどのくらい上昇しているかはわかりませんが、物価が上がっているのに、例えば収入が変わらないと生活は苦しくなります

公的年金は現役世代が納めた保険料がそのときの年金受給者への支払いにあてられる賦課方式です。

物価が上がったときは一般的には賃金も上昇し、物価上昇に連動して年金額も増えることにもなるので、購買力をある程度維持することができるといえます。

保険料の一部は、年金積立金管理運用独立行政法人(GIPF)で運用されてもいます。

リスクをどうとるか

リスクをどうとらえるか

では、自助努力で貯めた大切な老後資金は、どのくらいリスクがとれるでしょうか。

例えば、多くの資産運用のプロは、「年金積立金管理運用独立行政法人(GIPF)が行う国際分散投資の基本ポートフォリオを個人も参考にするとよい」と言います。

年金基金は、リスクを抑えながら収益を目指す必要から、現在は

・ 外国株式25%
・ 日本株式25%
・ 外国債券25%
・ 国内債券25%

という配分になっています。

ただ、個人的には、10年国債の利回りが0%なのにわざわざ手数料を払って国内債券を保有するのには抵抗があります

また、通常、債券の金利が上昇すると価格は下がる性質がありますので、今後、金利上昇となれば価格下落で損失となります。

そこで、債券を持って四分散投資をしなくてもバランスする方法を考えてみたいと思います。

1. リスクを金額で調整する

ひとつ目はリスクを金額で調整する方法です。

リスクを金額で調整する方法とは、例えば、平均リターン5%と標準偏差(リスク)20%とした場合、約7割の確率で、平均リターン5%を起点として上下20%ですから、プラス25%~マイナス15%ということです。

標準偏差を2倍すると約95%の確率でプラス45%~マイナス35%の範囲に入ります。

これを、「%」よりも直感的に把握しやすい金額ベースで考えると、仮に100万円を運用した場合、1年間で約95%の確率で最悪の場合は最大35万円の損を覚悟しなければならないことになります。

良い時はプラス45万円です。

毎月8万3,000円取り崩すことができていたのに、最悪の場合は5万4,000円しか取り崩せなくなります。

それは痛手だということならリスクの取りすぎです。

仮に老後30年間(月にすると360月)、毎月1万円減の損失は我慢できるなら、360万円が損失の許容額ということになります。

360万円 ÷ 35%で約1,028万6,000円が投資額の上限です。

「日本株式インデックスファンド」「先進国株式インデックスファンド」と「現預金」という組み合わせです。

あるいは、「全世界株式インデックスファンド」と「現預金」というポートフィリオにします。

バランスを考える

2. 個人向け国債を持つ

そしてもうひとつは個人向け国債変動金利型10年満期を持つ方法です。

国債とは国の借金に対するいわゆる「借用証書」です。

個人向け国債変動金利型10年満期は、保有している間、定期的に利子が払われ、満期に元本が返済されます。

金利は、半年ごとに、市場で売買される国債(新発10年債)の利回りに応じて見直されます。

基準金利の0.66%ですから、大体7割弱くらいで金利上昇についていくイメージです。

世の中の金利があがれば、受取利子が増えますし、最低金利年0.05%が保証されています

1万円から購入できて、発行から1年経過すれば、いつでも中途換金できます。

その場合、直前2回分の利子(税引前)相当額の0.79685をペナルティとして支払うことで、実質元本割れしません。

これと上記リスク商品を組み合わせる方法です。

もちろんリスク商品は必ずもたなければならないわけでなく、「個人向け国債変動10年だけ」でもよいと思います。

ざっくり、インフレに7割弱くらいでついていくイメージで、現役世代は新型スマホが買えるけれど、年金を中心に生活している世代は1つ型落ちくらいのスマホでよしとしようというような生活になるかもしれません。

許容できる範囲でリスクを考える

長い間金利ゼロが続いています。

預貯金ではお金は増えません。何もしないものもリスクといえそうです。

許容できる範囲でリスクをとって運用するとよいと思います。

来年は資産運用も検討してみてください。(執筆者:CFP® 認定者 岩城 みずほ)

《岩城 みずほ》
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岩城 みずほ

岩城 みずほ

金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経てフリーアナウンサーとして活動後、セミナー会社等を経てFPとして独立。東洋経済オンライン、毎日新聞経済プレミア、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」などで連載中。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。 <保有資格>: ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者 寄稿者にメッセージを送る

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