商業施設では、系列のキャッシュレス手段で決済するのが1番お得なはずですが、そうでもないケースも増えてきました。
イトーヨーカドーやセブン-イレブンを抱えるセブン&アイグループには、「セブンカード・プラス」というクレジットカードがあります。
実はこのカード、グループでの最強決済方法とは言いづらい存在です。一方で、独自の価値もあります。
今回は、セブンカード・プラスの実像についてお伝えします。
目次
セブンカード・プラスとセブン&アイグループ

セブン&アイグループの商業施設においてセブンカード・プラスで決済すると、ポイント還元率1.0%(通常の倍)です。
200円の税込決済ごとに2ポイントが付与されます。
ところが、セブン&アイグループが他の決済に門戸を広げる中で、セブンカード・プラスは率直に言って埋没気味です。
セブン-イレブンではあまり価値がない
セブン-イレブンでの決済方法を比較してみます。
1.0%(ポイント2倍)
【三井住友カード】2.5%(ポイント5倍)
【三井住友カードナンバーレス】
5.0%(タッチ決済)
【JCBカード】
1.5%(ポイント3倍)
【Suica(ビューカードからチャージで)】
1.5%
【au PAY(au PAYカードからチャージで)】
2.0%
【楽天ペイ(楽天キャッシュ利用)】
1.5%
【d払い(dカードとセットで)】
1.5%
セブンカード・プラスにも「対象商品購入によるボーナスポイント付与」という特典があり、常に負けているわけではありません。
しかしながら、数字を見る限りにおいてその価値は乏しいと言えます。
イトーヨーカドーでは割引がある
イトーヨーカドーでは次の通り、セブンカード・プラスももう少し役立ちます。
・ 特定商品についてのボーナスポイント
・ 年間100万円利用で3,000ポイントボーナス
・ 年間150万円利用で1万ポイントボーナス
ヘビーユーザーには大きなボーナスがありますが、それ以外のメリットは2つです。
そしてセブン-イレブンと同様に、平常時ではQRコード決済やSuicaに劣る還元率(1.0%)に過ぎません。
さらに、セブンカード・プラスには逆風が吹いています。しばしば、他の決済方法のキャンペーンが実施されているという点です。
2021年の1月~3月にも、d払い、au PAYそれから三井住友カード(タッチ決済)などで、20%程度を還元する大型キャンペーンが実施されていました。
セブンカード・プラスで決済していては、どんどん損してしまいます。
nanacoチャージ用カードとしてのセブンカード・プラスの価値

冷静に振り返ると、セブンカード・プラスの価値は非常に小さいものです。しかし、電子マネー「nanaco」との組み合わせでは役立ちます。
nanacoの現在
電子マネーnanacoもまた、キャッシュレスの手段としては埋没気味です。
nanacoにチャージしてポイントが貯まるカード(新規発行のもの)は、セブンカード・プラスだけとなったため、組み合わせの価値自体は増大しています。
チャージ(0.5%)と利用(0.5%)とで、どこでも1.0%の還元率です。
ただし、利用時のポイントは税抜価格に対してなので、セブン&アイグループでのnanaco利用は若干の損です。
楽天EdyやモバイルSuicaのほうが、加盟店も多くポイントがよく貯まる点は否めません。
nanacoとセブンカード・プラスで公共料金を支払ってポイントが付く
セブンカード・プラスの独自性は、セブン-イレブンでの公共料金や収納代行の支払いこそあります。
公共料金等をnanacoで支払う際にはポイントは付きません。しかし、セブンカード・プラスからnanacoへのチャージ時に0.5%のポイントが付いています。
公共料金や税金も、「Yahoo!公金」やQRコード決済の残高払い等を含めて支払う方法が多様化してきました。
それでもなお、セブン-イレブンでのnanaco払いには、次のようなメリットがあります。
・ 税金納付の際、手数料を支払わなくてよい
・(カードの)ポイントが付く
セブンカード・プラスはまだ役に立つ
≪画像元:Seven Card Service≫

セブンカード・プラスは、「毎月3回のイトーヨーカドー5%オフ」と公共料金等の支払に使うものと割り切ると、依然独自性を保っています。
4月30日まで、最大7,700ポイントもらえる入会キャンペーンを実施中です。(執筆者:沼島 まさし)