コロナ禍により、日常生活以外にも変化が出てきています。

そのうちの1つとして、「FIRE・ファイア(Financial Independence, Retire Early)」といった経済的自立を伴ったうえで早期リタイアするライフスタイルです。

労働に縛り続けられない人生ということで世代を問わず魅力はあります。

海外ではコロナ禍前から話題になっていたようですが、日本ではコロナ禍の中で若者を中心に話題になっています。

一方で、2021年4月からは「70歳までの就業確保措置」が事業主の努力義務とされ、早期リタイアや「FIRE」からは両極端な考え方かもしれません。

後で「こんな筈ではなかった」とならないように、早期リタイアや「FIRE」を計画する時に知っておきたいことや考えておきたいことの支出部分を紹介します。

収入部分は続編でご確認ください。

早期リタイアや 「FIRE(経済的自立と早期退職)」

まずは個々の生活費(支出)の状況の確認する

必要な貯蓄額として年齢に関わらず「年間支出の25倍」と言われています。

まずはご自身の今の年間支出さらには月額の支出を項目ごとに分けて整理しておきましょう。

支出の削減を行うことで必要な貯蓄額も下がりますが、単なる数字合わせだけの机上の空論は危険です。

そして、早期リタイアや「FIRE」をすることで不要になる支出や逆に必要となる支出についても考えておく必要があります。

早期リタイアや「FIRE」を実施することでの年間支出額が計算されます。

ただし、注意点はその年間支出額は今の時点であることです。

今後、この年間支出額が変化する可能性もありますので、年間支出額の10%程度の余裕をもって年間支出額として計算しておきましょう

税金や社会保険料はどうなるのか

税金や社会保険料はどうなるのか確認します。

所得税・住民税

労働に伴う収入がゼロの場合、所得税や住民税は課税されません。

少しは働いて収入を得るという場合には、原則年間収入が100万円までであれば、所得税・住民税は課税されません

株式や投資信託からの譲渡益・配当金(分配金)は20.315%(所得税・住民税)が課税されます(NISA・つみたてNISAを除く)。

なお、FXや仮想通貨の譲渡益に対する税金の計算はそれぞれ株式や投資信託とは異なっていますので、確認してください。

健康保険料

健康保険はお住まいの市区町村が運営している国民健康保険に加入します。

国民健康保険料を計算する際には、具体的には「医療分」「支援分」「介護分」の3つの区分から構成されています。

この3つの区分それぞれに対して、「所得割」「均等割」「平等割(※)」が設定されていて、それぞれの市区町村が定めた計算式によって国民健康保険料を計算していきます。

(※)「平等割」を設定しない市区町村もあります。

「所得割」は、所得によって計算していきます。

そこで気になるのが、株式や投資信託の譲渡益や配当金(分配金)に対してです。下記の内容はとある市区町村のホームページ(国民健康保険料)からの抜粋です。念のため、お住まいの市区町村に確認してください。

<国民健康保険料・株式や投資信託の収入について(抜粋)>

確定申告をしない場合、源泉徴収の特定口座における株式等譲渡所得および上場株式等の配当所得等は国民健康保険料の計算の対象には含まれませんが、損益通算や繰越控除等の適用を受けるため等の理由から、確定申告をする場合は、その所得額が国民健康保険料の計算の対象に含まれます。

次に、「均等割」「平等割」は、収入の有無に関係なく国民健康保険料は発生します

ただし、所得が低い場合は減額を受けることができます。

多くの市区町村のホームページでは国民健康保険料の試算ができますので、そちらで確認してみましょう。

国民健康保険料試算をしてみよう

公的年金

公的年金は第1号被保険者(国民年金)です。

国民年金の保険料は令和3年4月~令和4年3月分では1万6,610円(月額)になります。

ただし、第1号被保険者には所得が低い場合は、免除制度があります

ここでも、国民健康保険料と同様に、確定申告をしない場合(申告不要)、源泉徴収の特定口座における株式や投資信託の譲渡所得および上場株式や投資信託の配当所得は影響しません

なお、全額免除になった場合、国民年金保険料は1円も支払う必要はありません。

しかし将来受け取ることができる老齢基礎年金(国民年金)は、全額免除の期間は年金保険料を支払った場合と比べると1/2で計算されます

事前に計画しておきましょう

最後に、今までの生活を大きく変えるとなると、その分だけ事前に計画しておくなどの準備も必要です。

大変だと思われるかもしれませんが、自由を手に入れるための一歩として考えられるか、面倒臭いと思ってしまうかはみなさん次第です。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)