まだ食べられる食品が廃棄されている「食品ロス」が社会問題として注目を集めていますが、衣服にも同様の「衣服ロス」という社会問題があります。
新型コロナウイルスの影響による衣服の使用頻度や外出頻度の変化に伴って深刻化した社会問題のひとつです。
まだ着られるにも拘らず廃棄されてしまう新品の衣服は、日本だけで年間10億着以上、廃棄量が年間約100万トンにも上ります。
そのような中で、サスティナブル(持続可能)な環境社会実現のため、 ファッション業界の廃棄ロス削減を目指すリセール店が注目を集めています。
今回は、衣服の廃棄ロス軽減を目的とした未使用処分品を低価格で販売しているショップを紹介します。
目次
オフプライス専門「5つのショップ」
では、さっそく見ていきましょう。
1. &Bridge(アンドブリッジ)

国内で大規模なアパレル事業を展開してる老舗アパレルブランドが、衣類ロスに対して積極的に取り組んでいます。
「&Bridge(アンドブリッジ)」は、株式会社ワールドが出資しているサービスです。
マルイやエキチカなどでお馴染みのワールドが取り扱っているアパレル商品を50~70%オフで提供しています。
オンラインストアもありますが、さいたま市や浅草など計6か所で実店舗も展開しています。
運営会社
株式会社アンドブリッジ(出資比率:ワールド50%、ゴードン・ブラザーズ・ジャパン50%)
主な取り扱いブランド
・ INDIVI(インディヴィ)
・ JILLSTUART(ジルシチュアート)
・ TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)
・ LANVIN(ランバン) 等
2. offprice.ec(オフプライス・イーシー)

国内のアパレルブランド中心に20~90%オフで販売されています。
割引率の高さもポイントですが、もともとが低価格のブランドを多く扱っているので、Tシャツなどが数百円など破格の安さの商品がたくさんあります。
運営会社
運営会社の株式会社FINEは、アパレルのリセール専門カンパニーです。
ブランド毀損を防ぐ適切なリセール(再販)によって在庫回転の向上やコスト削減を目指しています。
アパレルの在庫問題や廃棄問題を解決し、ファッションのサステナビリティに貢献しています。
主な取り扱いブランド
・ NANO UNIVERSE(ナノ ユニバース)
・ a.v.v (アー・ヴェ・ヴェ)
・ MK MICHEL KLEIN homme(エムケー ミッシェルクラン オム)
・ PLST(プラステ) 等
3. Renam(リネーム)

アパレルブランドは売れ残りを低価格で販売してしまうとブランド価値を低下させてしまうため、基本的には売れ残りは償却や埋め立て処分します。
ただし、ブランド名がわからなければ再販売をしたいという場合もあります。
このようなアパレルブランドの要望に答えて販売されているのが「Renam(リネーム)」です。
元のブランドがわからないようにRenamタグに付け替えて再販しています。
運営会社
株式会社FINE
取り扱いブランド
タグをつけ直した商品なので、製造元のアパレルブランドは不明です。
4. Colors(カラーズ)

衣服以外の小物や雑貨も扱っていて品数豊富な最大90%オフの再販売店です。
実店舗展開もしていて、大阪や東京のほか15県と海外進出もしています。
元が数千円だった商品が数百円で販売されていたりするので、ファンも多いようです。
運営会社
運営会社の株式会社shoichiは、在庫処分、在庫廃棄のリーディングカンパニーで「眠れる在庫に魂を与え、再び輝くステージを与えます!」という理念のもと、在庫品を買い取って販売しています。
取り扱いブランド
オンラインショップで扱っている商品は、ブランド名が伏せられています。
実店舗ではブランド名がそのまま残っている商品もありますが、固定化はされていません。
5. LFO(エルエフオー)

女性向けの定番アイテムを扱っています。
大人の女性に似合いそうなシルエットの奇麗な服が多く、季節感のあるものが販売されています。
サイト上にも特集ページなどを設けているので、いま使いたいものを購入できます。
運営会社
前述の「Colors(カラーズ)」と同じく、株式会社shoichiが運営しています。
主な取り扱いブランド
・ MARTHA(マーサ)
・ cocoon(コクーン)
その他ブランドは非公開
オフプライス専門店で商品を購入する際のポイント
オフプライス専門店は通常のアパレルショップとは異なり、安さに理由があります。
品質に問題はないのですが基本的には売れ残りの廃棄予定品なので、トレンドから遅れていたり、季節外れの商品も多いと言えます。
購入した商品をどのように着るのかを事前にシミュレーションをしておきましょう。
オフプライス専門店で購入する際のポイントには、次のようなものが挙げられます。

1. トレンドに左右されない定番商品を買う
Yシャツ、ブラウス、Tシャツ、マフラー、ネクタイなど、シルエットや丈感覚がある程度固定化されているアイテムは、トレンドに左右されることも少ないと言えます。
使用頻度も高いと思われる購入しやすいアイテムです。
2. 使用目的やシーンが明確なものを買う
トレンドのデザインであっても使用目的やシーンが明確なアイテムは、オフプライス専門店を上手に利用しましょう。
結婚式、入学式、ドレスコードのあるパーティなどで着るものは使用頻度こそ少ないですが、式典用の洋服には華やかさや個性も必要です。
きちんとした装いが求められるシーンで着用する衣類は、オフプライス専門店で割安に購入するのがお得です。
3. シーズンを問わない小物類を買う
オフプライス専門店では冬に夏物、夏に冬物などが販売されていることがよくあるのですが、鞄、ベルト、ヘアアクセサリーなどシーズンを問わないアイテムは購入しやすいことでしょう。
4. 好きなデザインのものを買う
誰にでもある「自分の中の定番アイテム」「こういうデザインが好き」という商品は、自分の中で使用方法に明確なイメージのある商品だと言えます。
自分好みの色やアイテム、デザインは、トレンドに関係なく自然と利用頻度が高くなるので、買っても損はないことでしょう。
5. 送料を確認する
各サイトとも商品代金とは別に送料が発生します。金額や送料発生の条件はサイトごとに異なるので購入前に確認しておきましょう。
衣服ロスについて考えてみる
良い商品を破格の安さで購入できるというのは大変お得でうれしいことですが、オフプライス専門店ではあくまでも、焼却・埋め立てされるはずだった処分品を販売しています。
利用する際に価格や品質を通して、衣類ロスについて考えてみるのもよいかもしれません。(執筆者:太田 玲世)