先日、ファイナンシャル・プランニング (FP) 技能検定3級の試験を受けてきました。
FPの資格というと、金融機関や保険会社で働く方むけかと思いますが、FP3級を受験するのに特に資格は必要ありません。
出題内容はFPの業務を前提としていますが、実生活で役に立つ内容が中心です。
税金や社会保険、不動産など、これからの人生で避けて通れないお金との付き合いの中で、知っておくだけで納得できること、ちょっとした工夫で無駄を省けることはたくさんあります。

目次
FP技能検定とは
年に3回行われるFP技能検定には1級~3級の等級があり、いずれにも学科試験・実技試験があります。
試験は「日本FP協会」と「金融財政事情研究会」の2団体が実施していて学科試験は共通問題ですが、実技試験はそれぞれの団体、選択内容で異なります。
受験料は、学科と実技各3,000円で合計6,000円でした。
難易度は低め
学科試験は〇×の2択問題が30問、3択問題が30問の計60問でした。
実技試験は日本FP協会の場合には3択問題が20問で、いずれも6割程度の正解で合格です。
日本FP協会の2021年1月試験のデータによると、学科試験・実技試験とも85%超の合格率です。
動画やアプリなど勉強法もさまざま
試験勉強の王道であるテキストや問題集はもちろん、無料で勉強できる動画や過去問集のサイトもあるので自分に合った方法で勉強できます。
無料のサイトだけで合格する方もいるそうなので、勉強にお金をかけたくないという人でも取り組みやすいのではないでしょうか。
実生活に役立つFP3級の試験内容
FP3級の試験範囲は、次の通りです。いずれにおいても3級では基本的な知識が問われます。
1. ライフプランニングと資金計画(ライフプラン、社会保険など)
家族のライフプランがこの先どうなるのかを可視化する方法からスタートします。
社会保険は普段から給与天引きされるだけで、これについて詳しく考えることは少ないと思いますが、その仕組みを理解できます。
「自分がいくら年金をもらえるのか」「申請しないともらえない年金もある」などといった知識は損をしないためにも必要です。
2. リスク管理(生命保険・損害保険など)
保険とひと口に言っても、定期保険に医療保険、自動車保険、火災保険とその種類は多種多様です。
自動車保険ひとつをとってみても、自賠責保険と民間の自動車保険の違いを深く考えることは少ないと思います。
1.で作ったライフプランと照らし合わせて、いま入っている保険の保障が十分か、入りすぎていないかなどを自分で確認できます。
筆者は十分すぎる保障の保険に入っていたようで契約内容を見直しました。月額3,000円ほどの節約をできそうです。
3. 金融資産運用(金融商品の仕組みなど)
貯金だけではなく、投資を通じて資産運用をする場合には知っておきたい内容です。
当たり前に使っている「景気が良い(悪い)」という言葉の裏側にあるさまざまな指標、株価が「割高」「割安」などと言われる基準についても勉強できます。
投資の入門編としてよく聞く「NISA」「iDeCo」などの用語についても詳しく勉強できます。

4. タックスプランニング(税制など)
タックスプランニングは、暮らしていくうえで避けては通れない税金についての勉強です。
普段は給与天引きされている所得税や住民税の仕組みや控除の制度を知ることで、節税につながる方法を考えられます。
5. 不動産(賃貸・有効活用など)
これからマイホームの購入を検討される方、買い替えを検討される方に特におすすめの内容です。
「土地の価格はどのように評価されるのか」「マイホームを売却して利益(または損失)が出たらどうするのか」など、知っておくと安心できる内容です。
6. 相続・事業承継(相続・贈与など)
「相続税対策」という言葉はよく耳にしますが、「自分や家族には対策の必要があるのか」また、「親御さんから住宅資金や教育費を援助してもらえることになったら税金はかかるのか」など、大きなお金が動く際に知っておきたい内容が中心です。
筆者は父親が亡くなった際に相続に関しては何も分からないまま税理士さんに従うだけでした。実際の相続が発生する前に勉強しておきたかったと痛感しました。
「お金の基本」が身につく
6つの分野を勉強して、お金についての基礎知識が増えたことを実感しています。
お金を意識することで、節約にも役立てられます。(執筆者:亀井 香奈)