株取引は長いもののこれまで現物取引しかしてこなかった筆者ですが、先日、はじめて「クロス取引(短期信用取引)」に挑戦したので、その体験をお伝えします。

少ない資金で優待を受けられるクロス取引は、株主優待の「タダ取り」ができると評判です。

しかし、やり方によっては失敗することもあり、大きなマイナスになるとも言われていて安全とは言えないのが事実です。

最初は「信用取引」に踏み出すのが怖くて躊躇していたのですが、上手につきあうことで自己資金が少ない時にも多くの配当金や優待商品をもらえそうであることが分かりました。

クロス取引とは

優待クロスとは
≪画像元:Kabucom Securities

クロス取引とは、株取引のひとつで「信用取引」に区分されます。

同じ銘柄、同じ数量の「買い注文」「売り注文」を同時に行い、同じ価格で約定することです。

クロス取引は信用取引であるため、「信用取引口座」で取引されます。取引には信用取引口座の開設が必要です。

クロス取引した筆者の履歴を公開

筆者は3月末に「理研ビタミン (4526)」の権利取りを「クロス取引」でしました。その際の取引履歴を公開します。

クロス取引の手順

まず、クロス取引をする時には銘柄を検索します。

クロス取引をする時には銘柄を検索する

「株式取引」から「優待クロス」を選びます。短期信用取引を希望していたので、信用区分を「短期」にして検索します。

3月末に確認したところ短期信用取引ができる銘柄が多かったのですが、現在は7月末の権利取り銘柄は少ないようです。この件については後述します。

「理研ビタミン (4526)」の取引履歴

3月末から6月にかけての「理研ビタミン (4526)」の取引履歴はこちらです。

3月末から6月にかけての「理研ビタミン (4526)」の取引履歴

3月31日に短期信用新規で「売り」、現物「買い」▲14万3,100円をしています。

その後、4月1日には現物「売り」14万1,900円、信用返済「買い」1,170円をしています。結果、売買では▲30円でした。

その後、6月には配当金をもらえています。配当金は1,674円、信用配当金で▲2,100円で▲426円でした。

合計で▲456円とマイナスとなっています。

株主優待品が届いた

取引、配当金の合計でマイナスではあるものの「理研ビタミン (4526)」は、株主優待のある銘柄なので株主優待の品をもらえました

権利確定月は3月末日と9月末日、単元株数は100株です。100株以上、保有期間3年未満で1,000円相当の株主優待品(3年以上では2,000円相当の商品)をもらえます。

100株以上、保有期間3年未満で1,000円相当の株主優待品をもらえる

6月末に株主優待品が届きました。

・ ふえるわかめちゃん

・ わかめスープ

・ ねぎ塩スープ

・ マボちゃん

・ 青じそドレッシング

・ 素材力だし

売買では▲456円でしたが、1,000円相当の株主優待品をもらえたため、総合的に見るとプラスに感じます。

クロス取引での「短期取引」と「無期限取引」の違い

信用取引には、

「制度信用取引」

「一般信用取引」

の2つがあります。

一般信用取引の中にも「無期限信用取引」や「短期信用取引」「一日信用取引」といった種類があります。今回、筆者が行ったのは「短期信用取引」です。

「短期信用取引」

短期信用取引は「株式調達可能となった状態で、選定基準に該当した場合に売建可能」となるもので、新規建から14日以内に返済が必要です。

株主優待の「タダ取り」ができると評判ではあるものの、株価推移によってはマイナスにもなり得るというデメリットがあります。

また、今回は挑戦しませんでしたが、「制度信用取引」と呼ばれる取引もあります。

「制度信用取引」

制度信用取引では「逆日歩」がかかります。

よく「信用取引で〇万円損したので高い優待になってしまった」という声を聞きますが、取引に失敗すると、多額のマイナスで株主優待品の権利取りする結果になってしまうこともあるのです。

無期限信用取引、短期信用取引、一日信用取引では、制度信用取引のように逆日歩はかかりません

そのため、

株主優待を「タダ取り」でき、優待の「つなぎ売り」に有利

であるようです。

筆者はこれまで現物取引のみで信用取引には挑戦してきませんでしたが、マイナスも覚悟でクロス取引に挑戦してみました。

率直に個人的な意見を申しあげますと安心なのは現物取引ですが、

クロス取引のテクニックを知っておくと、株主優待の権利取得後に急落する株価対策に活用できる

気もします。

7月時点の信用取引画面

7月時点の信用取引画面

7月末の画面を見ると「ヘルスケア&メディカル投資法人 (3455)」「日本駐車場開発(株)(2353)」「(株)JMホールディングス (3539)」をクロス注文できます。

ただし、在庫株数を見ると「(株)JMホールディングス (3539)」はすでに0になってしまっています。

また、「日本駐車場開発(株)(2353)」は300株が残っていますが、株主優待の権利取りには1,000株保有が必須です。

「ヘルスケア&メディカル投資法人 (3455)」の優待では、介護に関する無料相談や無料体験入居、月額利用料の割引などが受けられるのですが、利用者を選ぶ株主優待だと感じます。

前述の通り、筆者の場合には取引でマイナスになりましたので、利用しないのであれば権利取りせずにスルーするのがよいのかもしれません。

クロス取引は難しくはない

日本駐車場開発の取引画面

「日本駐車場開発(株)(2353)」の取引画面をお見せします。

難しく感じられるクロス取引ですが、「清算予約の注文」の「次回優待権利落ち日に清算する」にチェックがあらかじめ入っています。

株数、値段(指値)を入力するのみなので、難しいことはありません

株主優待品をクロス取引で得る方法を知っておく

リスク商品ですので、クロス取引のタイミングによっては損してしまうこともあると聞きます。実際に、筆者もマイナスではありました。

初心者にはおすすめはしないものの、注意点ともうまくつきあうことで、マイナスの金額以上の株主優待を受けられるかもしれないと感じます。

株主優待を目的にした投資家が多いと権利確定後には株価が急落することがあります。そのような時にクロス取引の手法を知っていると、損失も少なく優待取りができます

選択肢のひとつとして知っておくと便利です。(執筆者:節約への情熱は誰にも負けない谷口 久美子)