高配当銘柄へ投資しているけど、買い時が間違っているのか評価損になってしまう、という悩みはありませんか。
実はこの悩みは私の悩みでもあります。
そこで今回の記事では高配当銘柄、中でも安定した配当が見込める高配当DOE銘柄の買い時について考察しました。
「DOE銘柄って何?」という方は過去の記事で解説していますのでご参考にどうぞ。
記事の後半でDOE銘柄それぞれの買い時が分かりますので、ぜひ最後まで読んでください。

目次
考察内容
(1) 銘柄ごとに過去5年の最高配当利回りを年度別に算出
※年度の最安値の株価で算出する
(2) 銘柄ごとに過去5年の最高配当利回りの平均を算出
(3) 銘柄ごとに当期予想配当金から、(2) で算出した配当金を元に今年度の買い時株価を予想
【例】毎年4~5%の配当利回りとなる銘柄
例えば、日々の株価変動で毎年4~5%の配当利回りとなる銘柄があるとします。
配当金が40円、ある年の最高値が配当利回り4%の1,000円、最安値が配当利回り5%の800円としましょう。
この銘柄の場合、最安値の配当利回り5%の800円で買うのが最もお得です。
ただ、配当金は1年後ごとに変動するため、株価ではなく配当利回りを基準にします。
最後に、(2) で算出した過去5年の最高配当利回りの平均と、銘柄ごとの今年度の予想配当金額を元に、買い時の株価を予想しました。
先ほどの銘柄が翌年配当金を50円に増配した場合、最高配当利回り5%となる1,000円で買うのが最もお得となります。
大成温調 (1904)

【DOE目標値】2.0%
【最高配当利回り平均】4.65%
【買い時株価】1,548円
大成温調は設備工事の中堅会社です。
今年度は減益予想なので普通は減配でもおかしくありませんが、DOE採用銘柄なので予想配当金は72円と現状維持見込みです。
これがDOE採用銘柄のメリットと言えます。
大成温調の過去5年の最高配当利回りの平均は4.65%だったので、今年度予想配当金72円で計算すると1,548円付近で購入すればお得でしょう。
中電工(1941)

【DOE目標値】2.7%
【最高配当利回り平均】4.97%
【買い時株価】2,091円
中電工は中国電力系の総合設備エンジニアリング会社です。
資産の多くを有価証券で保有しており、有価証券からの配当・利息も期待できる会社でもあります。
中電工の過去5年の最高配当利回りの平均は4.97%だったので、今年度予想配当金104円で計算すると2,091円付近で購入すればお得でしょう。
日新製糖(2117)

【DOE目標値】3.0%
※ただし配当性向60%とDOE3.0%で算出した配当金額のいずれか大きい方を配当金とする
【最高配当利回り平均】4.12%
【買い時株価】1,602円
日新製糖は家庭用砂糖を製造・販売する会社です。
日新製糖の過去5年の最高配当利回りの平均は4.12%だったので、今年度予想配当金66円で計算すると1,602円付近で購入すればお得でしょう。
日新製糖は業績低迷で純資産の増加が期待できず増配可能性が低いのですが、毎年1,000円相当の自社砂糖製品が贈呈される株主優待が魅力です。
1,000円分とはいえ、内容はけっこうボリュームがあり家計の助けになるでしょう。
中国塗料(4617)

【DOE目標値】5.0%
※正確にはD&BOEで自社株買いも含めて株主還元する見込み
【最高配当利回り平均】4.38%
【買い時株価】736円
※2020年の最高配当利回り4.75%で算出
中国塗料は船舶用塗料の世界大手企業です。
中国塗料の過去5年の最高配当利回りの平均は4.38%だったので、今年度予想配当金35円で計算すると799円付近で購入すればお得でしょう。
しかし、中国塗料は2021年に発表した中期経営計画において、連結自己資本総還元率(D&BOE)5%以上、かつ年間配当金の下限を35円に修正しています。
過去5年よりも昨年の最高配当利回り4.75%を参考にした方がよいでしょう。
よって736円付近を目標株価とします。
さらに、年間配当金の下限を35円としたことで、減配の可能性が限りなく低くなるメリットが生まれました。
減配銘柄は絶対に持ちたくない、という方は中国塗料の押し目を待って購入してはいかがでしょうか。
セゾン情報システムズ(9640)

【DOE目標値】10.0%
【最高配当利回り平均】5.60%
※DOEが採用された過去2年の平均
【買い時株価】1,608円
セゾン情報システムズはセゾン系のシステム開発会社です。
業績は低迷していますが、純資産は増加しているため増配見込みであるのはDOE採用銘柄のメリットです。
セゾン情報システムズの過去2年の最高配当利回りの平均は5.60%だったので、今年度予想配当金90円で計算すると1,608円付近で購入すればお得でしょう。
セゾン情報システムズは他の会社よりもDOE目標値が10%と倍以上の高さです。
これは毎年安定して利益を出し続けられるだろう、という会社の強気のメッセージと言えます。
高配当銘柄は利回りが1番重要
高配当銘柄は利回りの高さが重要なため、上昇相場よりも下落相場や急落相場で買う方がお得です。
ただ、普通の高配当銘柄の場合は株価が下がっても、不況などによる減配があれば利回りが下がることもあります。
DOE採用銘柄であれば大きな減配の可能性が低いため、純粋に株価下落が利回りの上昇につながるでしょう。
今回考察した目標株価まで株価が下落したら購入を検討してみてはいかがでしょうか。(執筆者:株式ディーラー歴10年 勝越 晴)