中学受験をテーマにしたドラマが注目されました。

ドラマの中ではお金に関係するセリフも多く、中学受験だけでなく高校受験や大学受験にも参考になりました。

今回は、一歩間違えたら親の老後の資金がなくなる可能性もある教育費について、多くの家庭に関係する高校受験とその先のお金を賢く使うためにはどっちを選ぶべきかを考えます。

お受験のお金

 受験費用は「かけるお金」の差

「受験は課金ゲーム」

受験をするだけならば、合否を決める試験費用だけが「かかるお金」です。

塾も通信教育も利用しなければ試験費用だけで受験は終わりますが現実は、高校受験にそなえて塾に通います。

自宅近くの比較的費用が安い塾に通わせる人もいれば、電車を乗り継いで大手の塾に通う子どももいます。電車を乗り継いで通うことになれば、交通費も必要です。

ドラマの中で「受験は課金ゲーム」というセリフがありました。

高校受験も同じです。目指す高校のために塾代に加えて家庭教師、通信教育を加えれば、受験というゲームに「課金」しているようなものです。

ゲームと受験の違いは、その先があるかないかです。

ゲームは課金して勝てばそれで終わりますが、受験は課金して勝てばその先には授業料が待っています

「かけるお金」に集中し過ぎてしまうと、その先の「かかるお金」に手が回らなくなるかもしれません。

高校無償化なら私立の方が得か

2010年に高校無償化(高等学校等就学支援金制度)が始まり、お金のことを気にせず私立高校も候補に入れることができるようになりました。

「私立も公立も無償なら、金額が高い私立に入学したほうが得をする」と考える人がいるかもしれません。本当にそうなのでしょうか。

ポイントは、高校無償化で支援されるお金の範囲です。

高校無償化は「かかるお金」が実質無償化になりますが、「かけるお金」は自腹です。

授業料 … 「かかるお金」

部活のお金や友達との交際費 … 「かけるお金(自腹)

公立高校は、比較的近い場所にありますが、私立高校は自宅から離れていることもあります。

学校が終わったら友達と買い物をしたり、外食をしたりするかもしれません。それらの「かけるお金」は自腹です。

私立高校は公立高校よりも授業料以外の費用(ユニフォーム代や課外学習代など)が必要になる傾向があります。

「高校無償化だから」という理由だけで私立高校を選ぶことは、その先のお金に手が回らなくなるリスクがあります。

お金をかけるなら「偏差値の高い学校」を目指すべきなのか

「常に偏差値の高い学校を目指すべきです」

ドラマで使われたセリフです。

親世代では、持っている精一杯の偏差値の学校に入ることが当たり前だったような気がします。

高い塾代を払い、頑張って勝ち取った偏差値はムダにはしたくありませんが、その先を考えれば「偏差値の高い学校がいい」とは言い切れないのかもしれません。

2020年から高校無償化だけでなく「高等教育の修学支援制度」が始まりました。大学や短期大学そして専門学校も支援対象となっています。

この制度は、家庭の所得だけでなく高校時代の評定平均が要件に加わっています(要件を満たさない場合はレポート提出などの方法あり)。

要件は「全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上」です。評定平均3.5以上は、ギリギリの偏差値で入った学校でとるには大変な成績ではないでしょうか。

偏差値の高い学校に入れば大学に入りやすいとも限りません。

本番のプレッシャーに弱い人ならば指定校推薦枠が多い高校、予備校の費用が出せない家庭ならば予備校が必要ないほど補習授業をしてくれる高校の方が大学に入りやすいのかもしれません。

大学も「偏差値の高い学校がいい」とは言い切れません。

文部科学省の発表(文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について)によれば、大学を中退する理由は、経済的な理由が多いですが「学業不振」や「転学」も多い理由です。

大学受験のときに「偏差値の高い学校」を目指したために「自分が大学で何をやりたいのか」を深く考えなかった可能性があります。

大学は、高校よりも専門的な勉強になるため、興味がない学部に入ってしまうと4年間通い続けることが苦痛になるでしょう。

学校は「偏差値の高い学校」よりも「本人が行きたいと思う学校」を選んだ方が、結果的に損をして得を取ったことになると筆者は考えます。

参照:文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について(pdf)」

自分の子どもの受験はドラマ以上にドキドキ

お金を払って合格できるならば、お金を払いたくなるかもしれませんが、人生は受験が終わった後も続きます。

親の人生も続きます。

子どもだけが勝者になっても、親のお金がゼロになってしまったら意味がありません

親も子も勝者になるために、お金の計画は「その先」まで考えておきましょう。(執筆者:式部 順子)