昨年2022年の株式相場は一昨年の2021年とは打って変わって波乱含みの1年でした。
また、12月に日本銀行が実質利上げを行ったことや、アメリカの景気後退懸念など2023年の1年間の株式相場も波乱含みの展開になりそうです。
「休むも相場」という相場の格言もありますが、休んでばかりはいられないという意見もあるでしょう。
その際に、売却益(キャピタルゲイン)を狙うのではなく、配当金(インカムゲイン)を狙う方法もあるでしょう。
目次
金利上昇時は「グロース株」は不利になりやすい
株式には色々な区分け(セクター)があります。
例えば、東証プライム市場においても、業種ごとだけでなく大型・中小型株、グロース株(成長株)とバリュー株(割安株)などです。
為替や金利やその時々により値動きに影響がありますが、金利上昇時にはグロース株(成長株)はバリュー株(割安株)と比べると不利になりやすいと言われています。
グロース株は成長株と言われるように、将来の収益拡大期待も株価に織り込まれている銘柄です。
高PER銘柄が挙げられます。
ところが、金利上昇により金融機関からの融資金利も高くなることから設備投資などに逆風が吹き、将来の収益拡大期待が縮小するといった一つの考えがあります。
バリュー株は割安株と言われるように、将来の成長期待が薄いなどで企業の解散価値を下回る状況が続いている銘柄です。
低PBRで配当利回りが高い銘柄が挙げられます。
金利上昇時は株価の変動幅が大きくなりやすいことから、変動幅が比較的低いとされているバリュー株に注目されるのかもしれません。
上記の内容以外の考え方もありますが、少なくとも金利上昇時にはバリュー株を選択される方も多くなっています。
そして、バリュー株銘柄を選ぶとなると「どの銘柄を選ぶのか」を迷われるかもしれません。
迷われる時には無理をしてでも銘柄を選ぶのではなく、高配当利回りの銘柄で運用している投資信託を選ぶのも一つの方法です。
そして、投資信託を選ぶ際には信託報酬などの手数料が低いものを選びたいものです。
そこで、高配当銘柄を運用対象としているETFが候補に挙がります。
ETFとは何か?
「ETF」とは、Exchange Traded Fundを略した言葉で、日本では「上場投資信託」と言われています。
日経平均株価やTOPIX、NYダウなど特定の指数(ベンチマーク)の動きに連動するように設計されている投資信託です。
この「ETF」の最大の特徴と魅力ですが、証券取引所に上場しており、金融機関などで販売されているインデックスファンドよりも信託報酬が低い場合が多く、購入手数料も上場株式を購入する時と同じです。
さらに、「ETF」は証券取引所の取引時間内であれば取引時間内の株価などの値動きに応じてリアルタイムで取引できるという点もメリットとして挙げられます。
また、国内外の株式市場の株価指数だけではなく、高配当利回り株を対象とした「ETF」もあります。
高配当利回りETFはどれを選ぶのか?
日経平均株価やTOPIXを対象とした「高配当」の文字が入っている銘柄、分配金(配当)利回りが3.5%以上と高い銘柄のETFはいくつかあります。
その中で、売買代金が多く、分配金(配当)利回りが高いのは、「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)」が候補に挙がります。
日経平均高配当株50指数は、日経平均株価の構成銘柄の中で予想配当利回りの高い原則50銘柄で構成している株価指数のことを言います。
2001年12月28日の指数値を1万ポイントとして、予想配当利回りや流動性を加味したウエートを用いて計算しています。
また、構成銘柄は毎年1回、「定期見直し」で6月末(最終証券営業日)に入れ替えています。
このETFは、日経平均高配当株50指数に連動するように設計されています。
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)
・ 売買単位:1口
・ 信託報酬率(年率・税込):0.308%
・ 分配金支払い基準日:毎年1月、4月、7月、10月の各7日(年4回)
・ 分配金(配当)利回り:約4.9%(2023年1月6日時点)
分配金利回りは変動しますが、それでも他のETFよりも高い数値になっています。
また、1口から購入可能なので、ご自身の資金規模に応じた購入やつみたてNISAでの購入もしやすいです。
また、長期保有以外にも分配金も年4回支払われるため楽しみが多いだけでなく、機動的に購入しやすい特徴もあります。
資産運用を行う上では個別・ETFも含めた銘柄の選択肢を多く持っておくことで、手法も増えていきます。
今すぐに購入しましょう!ではなく、選択に困った時の1つの選択肢として頭の中に入れておくだけもいいでしょう。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)