「香港取引所、IPO総調達額トップ守る」これは昨年(2011年)年末のあるニュースの見出しです。ニュースの内容を抜粋すると以下の通りです。
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香港取引所(HKEx)の新規株式公開(IPO)による資金調達額が3年連続で世界一となる見込みだ。これは同取引所が今年の市場動向についてのリポートを発表したもので、21日付香港各紙によると、11月末までに同取引所のIPOによる調達資金総額は281億米ドルとなり、2位の深セン証券取引所を17億米ドルの僅差で抜いて首位に。
金額ベースでは前年と比べておよそ44%の大幅減となっているものの、欧米経済の停滞が世界の他市場に打撃を与えたためトップを維持した。ちなみに3位以下はNYSEユーロネクスト、ロンドン、上海と続く。
また、今年同取引所で新規上場した企業は81社で、前年比で23%減。調達額が100億ドルを超えた企業は、777億ドル調達のスイス・グレンコア社を筆頭に、プラダ、上海医薬、周大福、中信証券、MGM、新華人寿、サムソナイトの計8社。
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このニュースは、日本から遠く離れた地の果てで繰り広げられているものではなく、飛行機でわずか4時間程度の地における出来事です。そしてこの地「香港」は、この優位性の活用を世界中の企業に開放しているわけですね。
さえない日本の証券市場とは別に、証券市場が本来になう役割である「資金調達」機能が十分に発揮されています。日本企業にとって、この機能は対岸にある無関係な出来事ではなく、今すぐにも導入検討が可能なものなのです。
数日前、日本企業の香港上場に関するニュースが報じられました。企業名は「ダイナム」。実現すれば、パチンコ産業の香港市場での上場となりますね。以下、記事抜粋になります。
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パチンコのダイナム、年内上場へ
パチンコホール大手のダイナムが、香港証券取引所(HKEx)に年内にも上場するもようだ。4月5日付『信報』などによると、同社はすでにHKExに上場申請を済ませており、幹事は申銀万国、中信証券国際、パイパー・ジャフリー社が請け負う予定で、上場が実現すると資金調達額は最高で8億ドルに上る見込みだ。
今回の上場で調達される資金は、日本での店舗拡大やアジアでのビジネス・パートナー探しに充てられるという。ただ、年内の上場を目指しているがタイミングを調整中とみられ、正式な上場発表はいまだなされていない。あるファンド関係者は同社が日本ではなく香港上場を選んだ理由として、パチンコ店の日本での上場が法的に難しいためと説明している。同社はパチンコホール経営ではマルハンに次ぐ業界第2位。マカオの地場系カジノをしのぐ粗利率とされ、ファンドを中心に香港でも注目されている。
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すばらしいことですね。こういうニュースが続くことを望んでやみません。
他にも友成機工という会社があります。プラスチックの金型、成型など日本に多くある「モノ作りの会社の典型」の企業です。このような典型的な日本会社が香港上場をはたし、2011年2月末には国内の主な業務を海外移管されていますね。
日本企業にとっては、本当によい参考事例になるのではないでしょうか。日本国内で奮闘される企業の、次のチャレンジへの後押し材料として、両社ともに研究価値がありそうですね。
皆さんはいかが思われますか?