今年の株式市場、年初は雄牛みたいな勢いがあったが、年中は落ち込んでいる。大きな原因のひとつは、ユーロ圏の債務危機だ。ユーロ圏の債務危機の話は、もう一年半以上前から世界で語られているが、市場は、新しい話を作るよりも、この話をできるだけ長く続けようと企んでいるように見える。そのため、ユーロ圏の債務危機が治らないと、株式市場は明るくならないのではないか、という予測がある。
それ故、投資者は現在、証券市場から債券市場に移動している。今年4月の香港投資基金公会のデータによれば、債券ファンドは今年第一四半期売り上げ中、68%を占めた。
債券市場は主に三つのエリアに分けられている。それは先進国市場、発展途上国市場と高配当市場だ。
まず先進国市場には、債務危機の先進国の債務状況が不明朗なためか、あるいは配当が低いために魅力がない。たとえば、日本の債権は「すごく安全」とも言えるが、その配当は香港の銀行預金よりも低い。アメリカの十年期国債の配当は1.65%で、インフレーションにも下回る配当である。
その代わり、発展途上国債券は魅力的な市場だ。中国、ロシア、インドネシアなどの国は債務が少なく、そして配当も魅力的、たとえば、中国の五年期国債は3.3%ある。
アジア企業債券は、アジア企業は15年前のアジア金融危機の時から債務が減少し始めたので、配当と安全度も魅力的と考えられている。中国やアジアなどの発展途上国企業債券は格付けされていないものも沢山存在しており、発展途上国の企業債券の未来は明るいとされている。
格付けは、流通性と取引量が増えるためだ。ただ、格付けできるということは配当が少なくなる可能性も高く、格付け前にはリスクが多少高くなるという感覚もある。現在の高い配当と、格付け後の価額が上がることは魅力的である。