大手国内生保の個人年金保険に加入している方から、こんな質問を頂きました。「個人年金保険は年末調整の時の控除を考えると、お得な気がするのですが、いかがでしょうか?」
さっそく検証してみましょう。まず、前提条件ですが、毎月の掛金は1万5千円で、60才から10年間にわたって年金を86万1200円受け取る、という契約内容です。年利を計算すると、だいたい1%くらいになります。
では、年末調整で年金保険料控除を使うと、どれくらいお得なんでしょうか?
毎月1万5千円ですから、1年間で18万円の保険料を支払うことになります。年間の保険料が10万円を超えていますから、控除額は最高額の5万円になります。仮に所得税率が10%の人であれば、税金が5千円お得になるという計算です。言い換えると、18万円払って5千円戻ってくるわけですから、率にして2.7%のプラスになります。
であれば、他の金融商品に預けるよりも魅力的だと感じるかもしれませんが、それで、飛びつくのは早計ですよ^^
たしかに単年度でみると2.7%のプラスです。しかし、年金保険というのは30年、40年という長期での契約ですよね。ちなみに、この例の場合、23才から60才までの37年間、保険料を払うことになります。月1万5千円ですから、総額で666万円払うことになります。
それにたいして、お得になる税金は年5千円、37年間で18万5千円です。666万円も払って18万5千円しかプラスにならないということは、ざっくりとですが、年利は0.07%程度にしかなりません。
あなたは、この0.07%に魅力を感じますか?
ですから、金融商品を選ぶときに大切なことは、細部ばかり見るのではなく、全体を見渡すことなんです^^