先日お客様からこんな質問がありました。「公務員の加入する共済年金はいくらお得なのか?」という質問でした。その方も数年共済年金の加入歴がありました。
もちろん、人それぞれに加入歴も標準報酬額も違うので、一概には言えません。確かに保険料率も厚生年金よりも安いです。共済年金は厚生年金と違い、3階建てだと言われます。
厚生年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金の二階建てなのに対し、共済年金は老齢厚生年金の代わりに老齢共済年金があり、さらにその上に職域加算額が上乗せされます。報酬比例部分の乗率の計算は同じですが、屋根裏部屋とも言えるこの職域加算額が民間より優遇されていると言われています。掛け金なしで月額約二万円程度の上乗せが受けとれると言われています。
民間企業なら、平成24年3月31日に廃止された適格退職年金、確定拠出年金(公務員は加入できない)、確定拠出年金、厚生年金基金などの3階建てがありますが、いずれも自ら積み立てなくてはなりません。
なぜ共済年金が優遇されているのかというと、民間企業に比べ、守秘義務があること労働三権の制限があることを考慮していると言われています。
昨年の「税・社会保障一体改革」で、11月には改正国家公務員手当法が成立し、平成27年10月に共済年金は厚生年金に一元化されることが決定しています。一元化されることで、職域加算の廃止も決まっていますが、「公務障害・遺族共済年金」の加算は温存されているなど、玉虫色な部分もあります。
共済年金に限らず、公務員が優遇されているという話において共通していますが、公務員が優遇されているというより、長引く不景気で民間が苦しくなったという方が正しいのです。しかし、時代に合っていない待遇も多く残っていて、スピード感とバランスが一番大事だと言えるでしょう。