皆さんの親御さんは、今おいくつでしょうか?
最近の60代、70代の方は元気な方が多いですが、それでもいつかは人の手を借りなければ生きていけない状態になります。それはごく自然なことなのです。
「要介護出現率」という言葉があります。年齢階層別に人口に対しての要介護者の人数割合を示したものです。少し古い2009年の厚生労働省の資料には、75歳~79歳は13.7%だったのに80~84歳では26.9%に倍増、さらに、85~89歳になるとさらに倍増しています。実際、私がケアマネとして担当させていただいているのは、85歳前後の方が一番多いです。
年齢だけは生きている限り平等に与えられるもの。是非、親御さんが80歳になった時のご自身の年齢を計算してみて下さい。介護なんて考えてみたこともない若い方も、たいていは50代中頃ではないでしょうか。
介護は配偶者(夫もしくは妻)が行う場合が一番多いのですが、片親に介護が必要になった時は子どもがその担い手になります。また80を超えると夫婦そろって介護が必要な状態になる場合もしばしばみられます。
団塊ジュニア以降の子ども世代では、兄弟も少なく介護の余力が少ないことが多いでしょう。「嫁」も就労等があり、介護の担い手にならないことも考えられます。またこの世代は、未婚の方も多いのが特徴です。その結果、仕事を辞めて親の介護をする「介護離職」状態になる方が多くなる可能性が高いのです。中高年が一旦離職すると再就職がかなり難しく、ライフプランが立ち行かなくなります。
実際、まだ数は多くありませんが、認知症などを発症した親の介護のため、仕事を辞め、親の年金で生活している男性に時々お会いします。いずれの方も、仕事もできず、介護ストレスも高く、大変お気の毒な状況でした。親の逝去後の将来も危ぶまれます。
ライフプランというと、通常親子2世代を中心に教育、住宅、老後をイベントとして考えていきます。しかし祖父母も加えた3世代ライフプランを俯瞰すると、介護も大きなイベントであるとわかっていただけたのではないでしょうか。結婚・教育時期が遅い方は教育と介護の時期が重なる場合も多いです。また介護は時期と期間の予測も困難です。
次回はこのイベントに上手に楽しく参加するコツについてお話します。