キプロス問題でユーロ圏経済の動向が注目されています。これまでアイルランド、ギリシャ、スペインなどユーロ圏他国の経済不振もありましたので、個人投資家にとっても欧州経済不振の情報にはますます関心が高くなるでしょう。
一国の経済の救済支援としてはこれまでに珍しく、預金者に負担を強いるということで決定しました。正確には10万ユーロ未満の預金は全額保護されるものの、10万ユーロを越える大口預金は最大40%カットという報道です。
でもこの内容、何となく日本のある制度に似ていませんか?
そう、「預金保険制度」です。日本の預金保険制度は、万が一金融機関が破綻した場合、預金者等の保護や資金決済の履行を図ることによって、信用秩序を維持することを目的に設立されたものです。
これにより、普通預金や定期預金等は、預金者1人あたり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までとそれに対する破綻日までの利息等が保護されることになっています。なお、当座預金および利息の付かない決済用普通預金は全額保護されます。また外貨預金など対象外の預金もあります。
今回のキプロスの銀行預金の保護施策も10万ユーロまでということで、日本円に換算すると約1,200万円になり、金額的にも日本の預金保険制度に何となく似ています。
欧州では「これまでにない対策」という言葉で広く報道されていますが、今後このような対策は引き続き行われるかもしれません。「卵は1つのかごに盛らない」は預金や投資をする際の常套句ですが、再度あらためて教訓としていただければと思います。