「分散投資」って何?
資産運用の基本は、「分散投資」といわれます。初めて運用をする方は、まずは「分散投資」から始めればいいと。これって、本当にオススメなのでしょうか?
そもそも、「分散投資」とは、3つのものをバラバラにして運用しましょう、というものです。
1つ目は、運用商品の分散です。運用商品には、株や債券などいろいろあります。たとえば、運用資金の全てを株で運用して、失敗してしまったら…。悲惨ですよね。
でも、たとえば、運用資金の半分を株、もう半分を債券で運用していれば、株で失敗しても債券の方は増えていることもあります。全て株で運用していた場合よりは、資産が減る危険が少ない、というものです。
2つ目の分散は、投資銘柄の分散です。
たとえば、全て株で運用していた場合、1つの会社(銘柄)の株しか持ってないと、その会社がもし倒産したら、この株の価値=投資全額は0円になります。でも、複数の銘柄を持っていれば、たくさん持っている中の1つが倒産して0円になっても損は限られる、というものです。
3つ目の分散は、時間です。
「ドルコスト平均法」と呼ばれ、毎月などの定期的に運用商品を買うというものです。イメージとしては、にんじんを3本欲しいとき。1本60円の日にまとめて買ったら、当然1本平均60円です。
でも、1日1本買うことにして、1本の値段が、今日は60円、翌日は特売で30円、翌々日はまた60円だったら。1本平均50円になります。そうなると、同じ日に3本買うより安く買えることになります。
ただ、1本の値段が、今日と翌日は60円だけど、翌々日90円になることもあるので。そうなると、1本平均70円になり、同じ日に買うより高くなることもあります。
時間の分散は、「一時期に買うよりも安くなることも高くなることもあるけど、押しなべるとだいたい平均的な金額で買えるだろう」ということで。高いときに買ってしまった!というリスクが減る、というものです。
分散ばかりに気を取られると痛い目に遭うことも
では、分散投資の実際の効果はといいますと。リーマンショックで、株も債券も価格が暴落しました。せっかく分散させたのに、主要な運用商品が軒並み下がって、どれも塩漬け…となった方は多いと思います。運用では、いったん大きく損をすると、まずは損を取り戻すことから始めるため、利益を出すのはそう簡単ではありません。
リーマンショック後に明暗を分けたのは、「いかに優秀な商品を買っていたか?」だと思います。
分散させることに気を取られて、具体的な商品の内容をあまり検討してなかった場合。分散させないとと思い、あまり値上がりしないかもしれないと思った商品も組み込んでしまった場合。痛い目にあった人が多いと思います。
分散は大切だとは思いますが。個別の運用商品を選ぶ大切さは、絶対におろそかにしてはなりません。むしろ、バランスが悪くても、良い時期に良い商品に投資することこそ、上手な資産運用だと思います。たとえば、昨年秋までの1米ドル70円台だったとき、米ドルを買いましたか?
運用をされるときには、面倒でもなるべくたくさんの専門家の話を聞いて運用商品まで吟味してくださいね。