ご存知な方も多いとは思いますが、今の時期(4月・5月・6月)に残業を多くしちゃうと損をするという噂を聞いたことがありませんか?
この噂どうゆうことなのか?説明いたしましょう!!
まず用意してもらうものがあります。それは、毎月の給与明細書を用意して下さい。自分の給与額を見て落ち込む人はその部分を隠して下さい。そして、落ち込んだ気持ちを緩和する為に、残業をいっぱいして給与額を上げましょう・・・・
「はい!!ストップ!!ごめんなさい!!」タイトルに残業すればするほど損をするかも知れないと言っておいて、わずか10秒で騙そうとしました。深くお詫び申し上げます・・。
冗談はこれぐらいにして、見てもらうのは給与額から控除される項目の社会保険料です。
厚生年金、健康保険、介護保険という保険料の項目があると思います。
結構な金額が控除されていませんか?・・・
この保険料の価格はどうやって決まっているのか・・・
それがこの4月・5月・6月に支給される給料の金額によって決まってしまうのです。
具体的に例をあげて説明しましょう。
5月の給料→固定給30万円+残業代6万円 合計給与額=36万円
6月の給料→固定給30万円+残業代4万円 合計給与額=34万円
これでいくと、3ヶ月間の合計給与額は105万円で、1月あたりの平均給与額は35万円(105万÷3=35)になると思います。
社会保険には標準報酬月額等級表というのがあって等級別に区分されているものがあるのですが、この3ヶ月間の平均給与額を標準報酬月額等級表にあてはめて、実際に金額が決まるわけです。いわゆるこれが標準報酬月額の決定ということです。3ヶ月の給料の平均額が35万の場合、標準報酬月額表にあてはめると標準報酬月額は36万(平均給料額が35万以上~37万未満の人)になります。
次に保険料を計算してみましょう。
健康保険料率は全国によって保険料率が微妙に違いますので、今回は兵庫県の健康保険料率(10%)で計算し、40歳以上の会社員として設定します。
これでいきますと、1ヶ月の個人で負担する保険料は(36万円×[10%+1.55%+16.766%]÷2【折半負担】)=50,968円となり、1年間の保険料を出す為に単純にこれを12倍(実際は毎年9月になると厚生年金保険料率は変わります。25年9月からは17.12%)すると611,616円の保険料になります。
もし、仮にまったく残業しなかった場合は、固定給30万円のみになりますので、標準報酬月額は30万になり、1ヶ月の保険料は(30万円×[10%+1.55%+16.766%]÷2【折半負担】)=42474になり、1年間の保険料は509,688円の保険料になります。残業した場合と比べるべると、10万円近くも保険料が変わってきます。
10万円もあったら、何ができますか?そうです!うまい棒が1本10円だとして、27年間と100日近く、休みなく毎日食べることができます!!【笑】・・・今述べたことはスルーしていただいて・・つまり、この保険料により毎月の給料の手取り額も変わります。
今回は分かりやすくするため、極端に残業した場合と残業をしない場合で比較しましたが、この時期に残業するか、しないかで保険料が大きく変わってくるのがお分かりいただけたと思います。
又、社会保険料は基本折半負担なので、は個人だけでなく、会社側の経費も余分にかかってくることになります。頑張って会社の為に、遅くまで仕事をしているのに保険料が上がり、手取りが減ってしまい、これだといい所がありません。
この記事をここまで読んだ人の中には、「そんなはことはない!高い保険料を払っているのだから、その保険料の分だけ受けられる保障も大きく違うはずだ。」「標準報酬月額が一時的に上がっただけで、7月以降に残業しなかったら、また通常の標準報酬月額(例でいくと30万円)に変更されるはずだ」など、いろいろと考えられたと思います。
この謎については、次回の後編で徹底的に解説していこうと思いますので、次回のアップまで末永くお待ち下さい。