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住宅ローン金利上昇による影響は?
5月から、三大メガバンクの住宅ローン金利(固定)が、概ね0.05%~0.1%上昇いたしました。期間や各金融機関によっても取扱いは異なりますが、10年もの国債を指標にしている以上、他の金融機関も上昇に転じたようですね。マスコミは、けっこう騒いでおりましたが、では、この「0.05%」という金利がどういう影響を及ぼすかを考えてみたいと思います。
ここで登場していただくのが、30歳の健康な男性です。この方が、住宅ローンを借りるとして、35年の元利均等払いで返済するとします。分かりやすいように、10百万円で考えてみましょう。
元利均等の毎月返済額は 「借入金額×(金利÷12)×(1+金利÷12)の420乗」を、「(1+金利÷12)の420乗-1」で割った値になりますので・・・・、(計算は、とっても大変なので、ネット等の元利均等シミュレーションを利用しましょう)そうすると、毎月の返済額は、24,018円 になります。
35年間合計すると、10,087,560円 になります。この内、10百万円は借入額ですので、利息の負担は、87,560円です。
どうでしょう。けっこう大きな金額になりますね。月の負担は、208円です。0.05%と言えども、期間が長いことと、元金が大きいので、こんな金額になります。
金利上昇に対抗する方法を探る
郵貯銀行の定額貯金ではどうか
では、これに対抗するために、金利のロスは、金利で稼いでみましょう。パッと思いつくのは定期預金です。まずは、最も効率が良いと思われる、郵貯銀行の定額貯金で計算してみましょう。定額貯金の最大の魅力は、半年ごとの複利になっているところです。
では、35年間で87,560円を稼ぐには、いくら預金すればよいのでしょう。これは頑張って計算してみました!金利は0.04%、ただし半年ごとに20%の利子税が取られます。
なんと! 7,800,000円 が必要です。
780万円を預ければ、35年後には、87,844円の利息が付いてきます。これなら、そのお金を預けないで、頭金にした方がずっと効率が良いですよね。
積立定期預金ではどうか
では、次に、積立定期預金で試してみましょう。
積立定期預金というのは、1本1本が3年定期になっています。毎月一定の貯蓄ができるというメリットがあります。3年経つと、3年前の積立金+利息+当月の積立金となって、また3年間預かってくれるという、優れた商品です。これも頑張って計算しました。金利は3年もの0.03%を使用しています。
そうすると、なんと! 毎月 55,000円 の積立が必要です。
35年後は、23,189,070円が貯まっています。その内、23,100,000円が元金です。
う~ん、これなら、毎月の住宅ローンの返済額を増やした方が効率がいいかもしれませんね。むしろ、住宅ローンの対抗手段というより、65歳からの年金の補完と考えた方がよろしいような・・・。
万事休す! やはり、大手の金融機関にはかなわないのか・・・・。
保険
否々、銀行の商品で考えたのがまずかったのかも・・・では保険で考えてみましょう。
A社の例ですが、30歳の方の65歳払込の終身保険でシミュレーションしてみました。低解約返戻金型終身保険に加入すると、死亡保険金額100万円、65歳払込終了で、毎月の保険料は、 1,598円 でした。
65歳の時の解約返戻金は、756,000円、総支払金額は、671,160円、差額の84、840円がプラスになります。これなら払えそうです。
もし、借入額が30百万なら、3倍の「保険金額300万円、毎月4,794円」の保険に入れば良いのです。団信に入れた方なら、たぶん、加入することはできますよね。
他にも、投資信託や、海外の国債を買うなどの方法があるかと思いますが、ノーリスクで簡単に対抗できる手段をご紹介してみました。もし仮に今後金利が上がるならば、今の固定金利ローンは、それだけで充分メリットではあるのですが。