住宅ローン金利上昇の記事より。2013年5月30日の日本経済新聞朝刊に下記見出しが載りました。
「住宅金利6月も上げ、大手銀行10年固定1.6%へ」
長期金利が上昇しているため、大手銀行が6月1日からの住宅ローンの10年固定金利型(最優遇)は0.2%上げ、年1.6%になることの記事です。
日々、日本のみならず英米独他の長期金利の変動を日々掲載していますので、来るべきものが来たという感触です。皆様も、アベノミクスで金融緩和、インフレ率2%目標などの記事をお読みになられているので、驚きはないとは思います。
記事に紹介されている長期金利の動向について、1年間の推移を紹介いたします。
下図は、2012年5月30日から昨日までの、日本10年国債の利回り=長期金利と、日本国債2年の利回り、そして、米国10年国債の利回りの変動を率で表したものです。日本10年国債はブルー、2年国債は紫、米国10年国債は黄色です。グラフは著者が保有するソフトMSNマネーを使用して作成しています。データは日々取得の集積です。
昨年5月30日の利回りは、日本10年国債は、0.835%でした。緩やかな低下で年末は0.795%迄下がりました。3月20日に黒田総裁が就任し、異次元の金融緩和を宣言後、直後の4月4日に0.455%まで低下しました。
しかし、5月に入り、ゴールデンウィーク明けの5月7日に0.545ぇのあと、5月10日には0.690%、週が明けた5月13日に0.790%、5月20日0.840%、そして5月29日には0.935%まで、一気に上昇しています。
この動きを得て、大手銀行が5月に見直し程度の小幅な上げののち、6月には0.2%の上乗せに至っています。
また、2年国債利回りも、昨年5月30日は0.100%でした。今年に入り、2月0.050%、3月15日には0.040%まで下がりました。5月に上昇に転じ、5月29日は0.14%まで上昇しています。上げ幅は小幅に見えますが、変化率では大きな動きとして認識できます。
住宅ローン変動金利型の利率はまだ上昇しておりません。通常長期金利の上昇ののち、短期金利が上昇を始めますから、変動金利型の金利上昇は長期に比べ遅く上昇を始めます。
一方、米国の長期金利も上昇を始め、今週に入り2.0%を超えたレベルにいます。日本国債の変化率の大きさを理解いただくため、米国10年国債の利回りを対比させています。
このように情報や経済環境の変化で、金利の動きもダイナミックです。インフレ率2%が視野に入れば住宅ローンはそれにプラスして金利3.0%近くになります。現在上昇したと言っても固定金利型1.60%は歴史的な低さです。変動金利で借りていらっしゃる方達は、この機会に変動から固定への借り換えをご検討ください。
また、新規に借り入れを行う方にはも固定型をお選びになることをお勧めします。
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のホームページを確認しましたところ、本日はまだ、5月の金利のみが表示されていて6月のものは未掲載でした。