こんにちは、渡辺のりおです。FPとして起業する時のことです。「会社を辞めて住宅ローンの返済は大丈夫かなぁ」今だから言えますが、当時は内心ドキドキでした。それもそのはず、住宅ローンは毎月決まった支出の中でも、大きなウエィトを占めています。
今回は、その住宅ローンと金利についてのお話です。
ここ数週間、新聞やニュースでは、「長期金利」に関する報道が増えました。金利が上がると住宅ローンの金利も上がることが解説されていますね。住宅の購入を考えておられるご家庭や、既に変動金利で借りておられるご家庭など、金利の動きは多くのご家庭に影響があります。
でも、よく考えてみると、金利上昇の影響を受けるのは、住宅ローンのようにお金を借りる時だけではありませんね。例えば定期預金の金利など、お金を殖やす時の金利も上がるわけです。お金を「借りる金利」と「殖やす金利」の両面で考えてみると、金利が動き始めた今、どのように行動するかで大きな差がつきそうです。
実際にどの程度の差が付くのか、例をあげて見てみることにしましょう。
借入額 3,000万円
返済期間35年
元利均等返済
ボーナス返済なし
5年経過後(残り返済期間30年)に、金利が1%から3%に上昇
以降、完済まで金利が3%のままと仮定します。
当初5年は、月々 84,685円の返済。
金利が3%に上がる6年目からは、月々 111,005円の返済です。
毎月の返済額は26,320円増えることになります。
では、金利が上がる前に、固定金利に借り換えをしていた場合はどうでしょうか。
全期間固定金利の2%で借り換えをして、金利上昇後の30年間を比較してみます。
金利が2%の場合、月々の返済額は 97,318円となります。
3%に上昇した時(111,005円)と比べると、毎月13,687円返済額が少なくなります。
30年間の合計だと4,927,320円もの違いがあります。(借り換えにかかる諸費用は考慮していません)
さらに、金利3%と金利2%の毎月返済額の差額、 13,687円を積み立てした場合を見てみましょう。
毎月積立額 13,687円
金利(年率)3%
年複利
運用期間 30年間(住宅ローンの完済までの期間)
すると、30年後の元利合計は7,995,860円になります。
この条件で比較をした場合、約800万円もの差が付くことが判ります。
金利は「いつ」「どこまで」上がるかわかりませんが、史上最低と言われてきた金利に動きが出始めました。今後の金利の動きをどう判断するかで、ご家庭の貯蓄額に大きな差がつきそうですね。