アジアとヨーロッパの株価1年を紹介しました。アメリカ大陸の主要国の株価の動向を紹介します。期間は過去1年間(2012年6月1日~2013年5月31日)です。
下図はNYダウ(ブルー)と、NYダウに連動するETFの円換算の動きと(紫色)、同じく円換算のナスダック100指数に連動するETFとを比較したものです。
昨年11月半ばまでは、指数であるNYダウと2本のETFの上昇の軌跡は変わりませんでした。が、11月14日の野田首相の衆院解散から、円換算のETFの上昇は、指数と管理しています。乖離の度合いが円安の効果です。最高値は5月に記録し、昨年6月からの上昇率は60%を超えていました。ベンチマークの上昇率は約20%ですので、60%との差40%が為替による効果です。
外貨建て商品は、いかに為替に振られるかの顕著なサンプルとなっています。1年間を比較しますと、NYダウに連動するETFのDIAが、ナスダック100に連動するQQQQに対して5%~10%程度上回っています。
米国株のメジャーな指標であ、SP500と比較したものが、下図です。こちらも同じような乖離の図になっていますが、NYダウよりもSP500の方が、元々の段階で勝っていましたから、最終段階での乖離幅は30%になっています。
もし、ETFを購入される際には、まずはSP500に連動するETFをお勧めします。
下図は、ニューヨーク市場以外の、各国の株価指数の比較です。3ポンの線の中で、終始高い成果を示していたのが、メキシコのIPC指数(黄色)です。本年に入り、下落を続けていたのは、ブラジルのボペスパ指数(ブルー)で、カナダのS&Pトロント指数は、どちらかというと横ばい状態でした。
ただ、5月は両指数に逆行するかのように、上昇していますので、ボペスパは5月に急落しています。
メキシコ(黄色)とブラジル(ブルー)の企業も含むラテンアメリカで活躍する大手企業のパフォーマンスに連動する指数がラテン40です。この指数に連動するETF(紫色)と両指数を比較しました。ただし、期間は昨年10月1日から本年5月31日の間の動きです。
見てお分かりのように、どちらかと言えばメキシコ寄りですが、両指数の間を縫うように両国の指数よりも変動の幅(リスク)は抑制されています。結果として5月には、両ETFよりもレベルが高くなっています。もし、資金的に両国への投資が難しい場合には、このETFを一本保有することが宜しいかと考えます。
世界各国の株式市場の相関が正に振れ、各国の株式を保有する分散効果の効果が薄れていますが、それでもこのように見てまいりますと、各国独自の動き方を見ると、分散によるリスクの抑制効果はまだ健在であると考えています。外国株式に投資する際には、国や地域の分散をお考えください。