本年6月21日に総務省統計局から平成24年の家計調査年報(家計収支編)が発表されました。お客様の夢や希望実現のため、ライフプランの作成と資産運用の相談に与る為の、現状の生活費のベンチマークとして、活用できる資料の一つです。その中から、FPとして、読者の皆様も知っておくと家計に役立つと思われるデータを紹介します。
世帯主収入は世帯収入全体の8割
下図は、生活費のベースとなる1世帯当たり1か月平均の家計収支の現状です。
この収支のデータは全国の総世帯のうち、世帯の中に勤労者が居る世帯を対象としています。その世帯の平均像は、世帯人員が2.80人、ご夫婦とお子様が1人居る姿をイメージください。
有業人員は1.51人ですので、ご夫婦で仕事につかれているケースと、お一人だけが仕事に出ている世帯が半々になります。ただし、世帯主以外の方はパートなどに出ている姿が予想されます。そして、世帯主(一般的にはご主人)の年齢が46.2歳です。
読者ご自身の家計と比較する場合は、年齢差で収入の多寡を勘案ください。また、各費目は比率で比較すると、便利です。
世帯の収入は467,774円で、そのうち世帯主収入が約82.0%の383,666円あります。配偶者の収入は44,422円で実収入の約9.5%を占めています。そしてその他が約6.8%の32,819円ありますが、この収入は例えば事業・内職収入などです。
この収入総額から、税金や公的年金・公的医療保険料等の非消費支出で83,923円(約17.9%)を引いた残りが可処分所得になります。
支出内容等を自身の家計と比較してみましょう
可処分所得で消費支出が賄われ、残る部分が家計の黒字分になります。下図は、消費支出と黒字分がどのような費目に分けられたのかを示しています。消費と黒字は約7:3に分かれます。
食費は可処分所得の約16.3%を占めています。次に大きな比率を占めるのが交通・通信費で約10.9%を占めています。3番目に大きな費用が教養・娯楽費で約7.3%を占めます。
住居費は約5.8%、22,136円なのですが、黒字分として計上される土地家屋借金純減約6.4%、24,599円と合わせると約12,2%、46,735円になります。賃貸住宅の場合の賃料のめどとしてください。
黒字分に目を移すと、預貯金純増は約16.6%、63,586円を占めています。年間で考えると763,032円です。将来に備えるものとして筆者は若い時には、収入の20%程度の額を貯蓄に回すことをお勧めしています。ご結婚、お子様の教育費、住宅購入等々への準備が必要です。
家計調査のデータは勤労世帯全体の平均です。このため、ご自身に置き換えると金額そのものは、かけ離れているにしても、比率は役立ちます。ぜひ一度ご自身の家計と比べてみてください。どの部分が多いのか、どの部分が少ないのかを確認の上、意図して食費が多くなっている、意図して黒字が多いなどは良いのですが、意図しないで貯蓄額が少ない、意図しないで通信費が多い場合は、ぜひ改善を図られるようお勧めします。
当該グラフの注は下記です。不明な部分があれば参照ください。