生命保険の保険料は3つの「予定基礎率」から算出されています。
過去の統計に基づき予測した年齢・性別ごとの年始の生存者に対する1年間の死亡率。厚生労働省の「簡易生命表」をベースにした生命保険会社独自の「生保標準生命表」を もとに予定死亡率を設定しています。
2.予定利率
保険会社は契約者から徴収する保険料の一部を運用し、予測した運用収益を見込んで保険料を割り引く。その割引率のこと。金融監督庁の「標準利率」を基に予定利率が設定されています。
3.予定事業費率
保険会社は運営していく上で必要となる経費を、あらかじめ保険料の中に組み込んでいます。その経費率のこと。保険会社の経費は、人件費、営業経費、代理店手数料、賃貸料、広告料 etc
上記1と2の合計額を「純保険料」、3のことを「付加保険料」といいます。
純保険料は、国が管轄する厚生労働省や金融監督庁が出している指標を基準に基礎率が決定されているのが分かります。国が決めている指標を基に決定されているため、変えようがないわけです。つまり保険会社によって、差が出ないのがお分かりいただけると思います。
ところが、予定事業費率を基に算出される「付加保険料」は、保険会社によって差が出ます。付加保険料は、保険会社が使う経費の多寡によって変動します。
大きい経費は「人件費」や「代理店手数料」
実は、保険会社の経費で一番比率が大きいのが、「人件費」。例えば、大手生保の場合、生保レディといわれる社員である募集人が営業しますが、社員ですから、当然、労働保険・社会保険も確保し固定給を支払います。また契約高に応じた歩合給も支払っています。
つまり、ひとりの募集人に対して労働保険料、社会保険料、固定給+歩合給という人件費が発生します。
また、契約のほとんどが保険代理店からという保険会社もあります。
代理店販売がメインの保険会社の場合、労働保険料や社会保険料、固定給+歩合給という経費は、一部の自社販売部隊のみに発生。その代わり、代理店への手数料支払いが発生します。この代理店手数料の割合が非常に大きくなります。
ネット生保の経費
では、ネット生保の経費考えてみましょう。
契約手続きがインターネットで完結するため、自社の募集人は不要です。また代理店販売という形態を取っていない(一部はこの形態を取っているネット生保もありますが・・・)ため、代理店手数料も不要です。
つまりネット生保の場合、付加保険料の大部分をしめる「人件費」の割合が他の生保に比べ、著しく低くなるわけです。
純保険料は、どの保険会社でもほとんど変わらないわけですから、保険料の高低を決める予定事業費率が低いネット生保は、競争力から考えれば、圧倒的に優位であることはご理解いただけると思います。