目次
1.医療保険は競争激化
楽天生命が今年の4月からインターネットによる保険販売をスタート。アイリオ生命時代からの医療保険「スマート」「ピンポイント」「ロング」の3本立ての医療保険を販売している。
医療保険・がん保険単体では最大の契約者数をほこるアフラックが、満を持してというか、覇権争いをかけて、新医療保険「ちゃんと答える医療保険EVER」を販売スタートしたのが、8月19日。
アフラックに追いつけ・追い越せで鼻息荒いオリックス生命が、9月2日から「新CURE、CURE-Lady」を発売。そして、上記のような掛捨て型医療保険とは違い、払い込んだ保険料を70歳時点で契約者へ返戻してしまう医療保険が、東京海上日動あんしん生命から今年1月に発売されています(メディカルkitR)。
というように、医療保険は競争激化、現在まさにレッドオーシャン状態。旧来商品に比べ、オリックス生命は15%前後、アフラックは20%~25%保険料が安くなっています。
2.単純比較が難しいのが医療保険
医療保険は、基本的に入院の日数や手術の回数によって給付金が支払われるという単純なしくみの保険だが、以下のような条件について、各医療保険によって微妙に違ってくる。
2.給付対象になる手術がどんな手術なのか?
3.通院給付金がついているのか? またその条件がどうなのか?
4.先進医療給付金の上限が1000万円なのか?2000万円なのか?
5.保障期間や保険料の払込は何歳までなのか? etc
したがって、単純比較はできないが、現状で行けば男性はほとんどの年齢でアフラックの「ちゃんと答える医療保険EVER」、女性は楽天生命の「スマート」がコスパNo,1だろう。
ところが、医療保険の選択を難しくしているのが、各社微妙に違う特徴があるからだ。
例えば、オリックス生命の「新CURE、CURE-Lady」は、がん・心疾患・脳血管疾患による入院限度日数が無制限になる特則、七大生活習慣病による入院限度日数が無制限になる特則もつけられる。
※七大生活習慣病・・・がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧性疾患肝硬変、慢性腎不全
アフラックの「ちゃんと答える医療保険EVER」は、5日未満の入院でも5日分の入院給付金分が給付され、通院特約を付加した場合、手術前通院も保障対象となる。
先進医療特約だが、ほとんどの保険会社は、限度額は1000万円。ところが、アフラックもオリックス生命も新商品では、限度額を2000万円に変更してきている(そこまで必要なのかは疑問符が残るが・・・)。
また、楽天生命には「スマート」という医療保険以外に「ピンポイント」と「ロング」がある。
「ピンポイント」は1泊2日以上の入院に対して、日数に関わらず、一律10万円が給付される。保険料の安さも魅力。健康保険には高額療養費制度があるので、健康保険を使った入院・手術であれば、自己負担は10万円以下で収まる(月収53万円以下の一般所得者)。そう考えれば、理にかなった保険だ。
「ロング」は継続61日以上の入院のみが支払い対象となる医療保険。可能性は著しく低いが、経済的な面を考えると本当に担保して欲しいのが長期入院なのかもしれない。その長期入院のみを保障対象とするニッチな医療保険である。
3.医療保険は加入しないというのがスタートだが・・・
日本の充実した社会保険制度から考えれば、医療保険は加入しないことをスタートとして考えていただくのが基本だが、やはり将来の公的医療保険制度に対する不安をかかえている状況では、民間の医療保険を確保しておきたいという気持ちも理解できる。
各社熾烈なサービス内容と価格の競争をしている状況なので、医療保険に加入されている方は、保険料が安くなる可能性が充分ある。一度保険証券を引っ張り出してみるのも一考だ!