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「先進医療」の現状
先進医療で良く知られている医療としては、がん治療の重粒子線治療や陽子線治療で、年間の実施件数は約2,700件ほどで、費用の平均は300万近くかかります。
実施件数として最も多いのは、白内障治療で実施される「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 」で、年間の実施件数は約4,000件ほどで、費用の平均は約50万ほどです。ちなみに、杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)では、実費負担分は324,000円となっています。
「先進医療に係る費用」については全額自己負担です。
「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 」とは?
白内障治療に用いる治療です。特徴は、白内障と同時に老眼も治療できる点です。
多焦点眼内レンズは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レンズである点では、従来の単焦点眼内レンズと変わりはない。
しかし、単焦点眼内レンズの焦点は遠方又は近方のひとつであるのに対し、多焦点眼内レンズはその多焦点機構により遠方及び近方の視力回復が可能となり、これに伴い眼鏡依存度が軽減される。術式は、従来の眼内レンズと同様に、現在主流である小切開創から行う超音波水晶体乳化吸引術で行う。
どこで受けられるの?
先進医療に認定されている治療の中でも一番多くの医療機関があります。
先進医療を実施している医療機関の一覧は?
東京の場合は、38の医療機関があります。(25年10月1日現在) 一般的には、かかりつけの眼科医から紹介状を書いてもらうことになるでしょう。
先進医療に対する備えは必要?
と思われる方も多いかもしれませんが、入院日額いくら?といった医療保険に加入していても、先進医療特約が付いていない場合は、実費負担分を保険で受け取ることが出来ません。
今回ご紹介した白内障治療の多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術の入院期間の平均は1.4日となっており、なかには日帰りで出来るところもあります。2日としても、入院日額5,000円の場合1万円しか給付できないことになります。多くの医療保険では先進医療特約として用意されていますし、特約料も数十円~数百円のものが多いので、付けておきたい特約の一つです。(執筆者:京増 恵太郎)