2013年の年末調整の注意点　扶養控除と住宅ローン減税他

解説：

　年末調整は会社員など給与所得者の1 年間の所得税を精算する手続きです。会社員の所得税は毎月の給与から天引きされていますので、年末に過不足を調整します。

１． 扶養控除等

　扶養控除等は生計を同じくする16 歳以上の家族の所得が、38 万円以下の場合に、38 万円～63 万円の控除が受けられる制度です。つまり子供が高校に入学したら、その年か翌年に控除対象扶養親族として申告すれば、年末調整で扶養控除が受けられます。

　逆に、その年に子供が生まれても扶養控除等の対象にはなりません。

２．扶養控除の対象となっていた扶養親族が亡くなった場合

　通常、親族が扶養に該当するかどうかは、12 月末時点で判断されますが、その扶養親族が亡くなった場合は、その扶養親族の死亡時で判断されますので、扶養控除の対象となります。

３．住宅ローン控除

　住宅ローン控除は、家を買った人の住宅ローン残高の1%程度が所得税から控除できる制度です。家を買った年の分は確定申告をする必要がありますが、翌年からは年末調整で所定の申告書と金融機関のローン残高証明書を提出するだけで受けられます。

　ただし、残高証明書が届いた後に繰り上げ返済をすると、12 月末時点での残高が変わってしまうので、再度発行してもらう必要があります。

４．復興特別所得税

　本年から通常の所得税に復興特別所得税をあわせて課税され、適用される税率は下記のように計算します。なお、復興特別所得税は、平成25 年から平成49 年まで25 年間続きます。

要するに…

　扶養控除等の対象となる扶養親族の範囲が、2011年から大きく変わったので、注意が必要です。また今年から復興特別所得税が25年間、課税されます。