目次
1. 生命保険の見直しの基本的なポイント
(2) 保障金額(どれだけの保険金額があればいいのか?)
(3) 保障期間(何歳まで保障があればいいのか?)
3つのうちで最も大切なことが(1) の加入目的。死亡保障を例にあげると、誰のために残すのか、何を目的に残すのかを明確にすることです。
子供の教育費・生活費のために必要なのか、それとも妻の老後の生活費のために残すのか、それぞれの加入目的によって当然、(2) の保障金額や(3) の保障期間は異なってきます。
例えば、子供の教育費・生活費を考えたとき、その保障は末子が独立するまでの保障期間で充分。既に子供が独立しているにもかかわらず、高額な死亡保障を契約しているようなケースや、独身者が高い保険料を支払って掛捨ての死亡保険に加入しているケースなども多い。
支払っている保険料が何のため、誰のためなのかを明確にするだけで、生命保険はかなりシンプルになり、保険料を抑えることが可能となります。
2. ハイレベル保険見直し術
ポイントは3つ。
(2) 同じ保障内容であればコストパフォーマンスが高い保険商品を選ぶ
(3) 特約も含め保険商品の給付内容と条件を知っておく
3. 経済的ダメージが大きいリスクとは何か?
例えば、幼い子供を残したまま世帯主が死亡する、健康保険が適用されない治療が必要な病気に罹患する、病気やケガで長期間仕事ができない状態が続くなどが該当する。
もちろん、公的社会保障である遺族年金で遺族の生活費や教育費が捻出できれば良いのですが、一般的には、遺族年金のみでは生活が厳しくなります。また、公的医療保険が適用されない「先進医療」や「自由診療」については、治療費が高額になります。さらに、病気やケガで就業不能状態が継続した場合など、障害年金等級に該当しなければ収入の道が閉ざされてしまいます。
ただし、公的医療保険が適用される治療に関しては「高額療養費制度」により、負担上限が定められているため、大きな不安材料とはなりません。これらのことを踏まえ、公的社会保障では賄いきれないリスクに対して、優先的に保障を確保することが、一つ目の大きなポイントと言えます。
4. 最優先で確保するべき保障に対して、コストパフォーマンスが高い保険商品を選択する。
保険会社間の競争激化により、同等の保険商品であっても5割近く保険料に差がつくケースもあります。
5. 給付の条件や内容を把握しているかどうか。
特に生前給付される保険商品には注意が必要です。
例えば医療保険の場合、入院何日目から給付され何日間給付が受けられるのか。がん保険の場合、初期のがんでも給付されるのかどうか、がんの先進医療を受けた場合に給付が受けられるのかどうかなど。当然ですが、給付内容や条件は保険商品により異なります。
6. 保障確保と保険料のバランスも重要
家計のキャッシュフローを良くするためには、まず「生命保険の見直し」が必須。しかし、最優先で確保しなければならない保障内容まで削減してしまうと本末転倒です。
家計費と保険料の割合や、必要な保障内容とのバランスを考えたうえで、削減しても良い保障は思い切って削り、確保してしかるべき保障は充実させる! 保険見直しの基本的な3つのポイントとハイレベルな保険見直し術を参考にご自身に一番適した保障を確保していただければ幸いです。(執筆者:釜口 博)