もうすぐ桜の季節がやってきますね。今年は桜の開花と時を同じくして、いよいよ消費税が増税になります。今回の消費増税は、今後の住宅ローン選びや借り換えに、どのような影響を与えるのでしょうか。
日銀の超金融緩和とアベノミクスのお陰で、少しずつ景気の回復や物価上昇を実感できるようになりました。金利の先行きを正確に予測することはできませんが、景気回復と物価上昇が続くなら、金利も上昇傾向になることが考えられます。
一方で、現在の住宅ローン金利は、フラット35などの全期間固定金利で2%を切るものもあります。10年固定で1.5%前後、変動金利だと1%を切っているところも多いですね。まさに過去最低水準の金利といっても良いでしょう。
このような背景もあり、「金利が上がる前に住宅購入を」、「金利が低いうちに借り換えを」と考える方が増えています。そして、それらの方の多くは、変動金利か固定金利かで迷われています。迷われている理由は、「どちらが得か?」と考え、ほとんどの方が判断できなくなるようです。
このまま行けば、金利は上昇傾向にありますが、今後も景気の回復と物価上昇が約束されている訳ではありません。消費税の増税で、また景気が後退するのではないか。そうなれば、当面は低金利が続くのでは。といった考えも、住宅ローン選びを難しくしているように思います。
固定金利か変動金利かを損得だけで決めるなら、今後の金利動向を予測できなければいけません。将来の金利は、誰も正確に当てることはできませんから、出口のない迷路にいるのと同じです。
住宅ローン選びは損得だけではなく、安全な資金計画と返済計画を立てることが、優先ではないでしょうか。キャッシュフロー表をもとに作成した、貯蓄額の推移をご覧に入れると、金利タイプの選び方が「損・得」から「安全・安心」変わるご家庭が多くなります。
〇年後に、住宅ローンの金利が2%上がったら、我が家の家計は破綻する。
実際に、このような状況のご家庭もたくさんあります。
こうやって、住宅ローンの金利上昇を視覚化することで、多くの方が「如何に確実に完済できるか」という意識に変わるようです。
住宅ローン選びや借り換えは、完済できることが何よりも重要です。確実に完済するまでの「安全・安心」を考えると、金利タイプの選び方も変わるのではないでしょうか。(執筆者:渡辺 紀夫)