インドで10年ぶりの政権交代が実現し、ナレンドラ・モディ氏が首相に就任しました。12億の人口を抱え、今後急拡大が見込まれる有望マーケットとして注目されるインド市場ですが、貧困や社会・経済の近代化、財政赤字や失業率の悪化などの課題も少なくありません。
日本では昨年、「アベノミクス」への期待から株高が進みましたが、インドではいま、政権交代をきっかけにインドで経済改革が進むのではとの期待が高まっているのです。
新首相のモディ氏は、2001年からインド北西部のグジャラート州首相を務め、州内の電力や交通などのインフラ整備、投資手続きの簡素化を進めて規制緩和を通じて外資企業誘致に成功するなど実績を上げてきました。
経済手腕に定評のあるモディ氏の経済政策は「モディノミクス」とも呼ばれていて、今後はインド全土で経済改革を進めることへの期待が高まっています。市場では「昨年はアベノミクス、今年はモディノミクス」との声もあがっているようで、インド市場にマネーが流入しています。インドの株価指数は史上最高値をつけたほか、インドの通貨ルピーも上昇。
日本企業でもインドの乗用車市場で4~5割のシェアを有するホンダの株価が、約6年ぶりに3000円台を回復したほか、スズキやヤマハ発動機、関西ペイントなどもインド関連株として挙げられます。
モディ氏は、これまで企業誘致のために日本にも何度か足を運んでいて、親日家として知られていて、政権交代を機に経済が活性化すれば、日本企業にも恩恵が広がる可能性もありそうです。世界的に関心が高まるインド市場、今後の投資のテーマとして「モディノミクス」に注目してみても良いかもしれません。(執筆者:莇 陽子)