米国のダウ平均がはじめて1万7000ドルの大台を突破するなど、史上最高値圏での推移が続いています。ドイツなど一部の欧州株も最高値圏にありますし、新興国でも、新政権への期待が高いインドやトルコ、インドネシアの株価が復調しています。世界の株式市場の動きを示す代表的な指標であるMSCI ACワールド指数も史上最高値を更新しました。
一般的に、株と債券は反対の値動きをするため、株価の上昇局面では、債券は下がる傾向にあるのですが、足元では、米国国債やイタリア国債、ブラジルの国債などが買われて、債券価格が上昇し、金利が低下傾向にあります。
さらには、イラク情勢の緊迫化などを背景に原油価格が上昇するなど、原油や金といった商品も買われ、様々な資産が広く買われています。株高、債券高、商品高が同時に起こっているのが、今のマーケットなのです。
そんな今だからこそ、改めて投資の基本を見直すべきタイミングと言えるかもしれません。
投資の王道は、「長期投資」と「分散投資」。分散投資には二つの意味の分散があり、一つは、個別の銘柄や、一つの国、一つのマーケットに偏った投資をするのではなく、投資先を分散すること。
そして、もう一つは、購入する時期、つまり時間を分散すること。一定金額を毎月積み立てていく方法は「ドルコスト平均法」とも呼ばれていて、長期投資において最終的に大きな威力を発揮すると言われています。
上昇相場がいつまで続くか、底値はどこかということは誰にもわかりませんから、感情に左右されずにコツコツと積み立て投資をすることで、高値で買って、あとで泣く泣く損切をするというリスクを避けることができます。
上昇相場が永遠に続くということはありませんから、市場が好調な今こそ、投資の基本を肝に銘じてみてはいかがでしょうか。(執筆者:莇 陽子)