部活動の夏の大会が終わったら、高校受験に向けて本格的に受験勉強をスタートしようという中学3年生のお子様をお持ちの保護者が、今一番気になるのは夏期講習の金額。学習塾から提示された金額が10万円を超えることも珍しくない夏期講習だから、しっかり考えて契約したいもの。
夏期講習の費用内訳は?
夏期講習の費用内訳は、おおまかに入塾金、授業料、施設費、教材費、そして学力診断テスト料となっているのが一般的。これらの詳細について、入塾金は入退出カード発行費や登録費に、授業料は塾の運営費や講師料に、施設費は冷房費や自習室の利用料に、教材費はテキストや問題集、プリントの費用などとなっています。
最も大きな金額となる授業料は、スクール形式の一斉指導型と対話形式の個別指導型では額が異なります。
授業料は学習塾によりさまざまですが、首都圏の平均的な公立高校を志望するのであれば、一斉指導型は90分1単位として1,000円程度から、個別指導型は90分1単位で3,000円程度からが金額の目安となります。
個別指導型は、生徒1~2名に講師1名がつきます。講師のほとんどは現役の大学生・大学院生であり、その講師料に時給1,500円程度を支払うため、個別指導型は必然的に費用が多くかかることになります。
また、難関の公立高校や私立高校を目指すクラスでは、一斉指導でも個別指導でも授業料がさらに上乗せとなっている学習塾が多くみられます。これは難関高校の受験対策ができる講師は、難関高校を卒業して有名大学に通う学生や、塾講師を専門として経験を積んだ講師が指導しているからであり、講師料も上がりますので、必然的に授業料が上乗せされていきます。
一斉指導と個別指導、どっちがいいの?
一斉指導と個別指導のどちらを選択するかは、保護者の考えと、お子様の適性によります。
「わからないところだけ聞きたい」、「質問や確認をしながら学びたい」など自分のペースで学びたい場合は個別指導が良いでしょうし、「仲間と競いながら学びたい」、「質問より聞いた方が理解できる」という場合は一斉指導が良いと私は思います。
学習塾は、夏期講習に多くのメニューを準備し、多くの授業を選択することを進めてきます。確かに、夏休みにどれだけ力を伸ばせるかが、進路選択の鍵になります。
しかし、すべてを選択すると20万、30万円と金額が上がっていき、家計への負担はかなり大きくなります。どこまでを選択すべきか、家庭のお財布事情と、お子さんの希望を考慮しながら決めていきます。なお、中学校などで補講があるなど、学習塾の夏期講習には行かないという選択肢も十分考えられます。
いずれにしても、夏休みは高校受験に向け集中した勉強ができるときであり、冬の高校受験に向け悔いが残らない勉強機会となることを、保護者として望みます。(執筆者:杉浦 詔子)