目次
リスクは知ってる? 返済負担を減らす住宅ローン
「変動金利」という名前で目にすることが多いのは「住宅ローン」に対する金利のことです。変動金利とは半年ごとにその時の適用金利が見直されて、返済額については5年ごとに見直されます。
変動金利は1パーセントを切っているところも多いので、このままの金利であれば返済額が少なく返しやすく、「家を買う」という大きなお金が動くライフイベントだとしても、重荷に感じない人も多いのではないでしょうか。
また、住宅ローンの場合金利が急上昇しても返済額は1.25倍までという上限があるので、少しずつしか増えていないように感じるかもしれません。でも1.25倍以上になるような金利上昇があったとしたら、それは後回しの返済義務となります。
後回しというのは怖いことで、5年ごとの返済額見直しの際、1.25倍以上になっている後回しの分が本来の返済額以外の利息の部分を大きくしていきます。
結果、32歳でローン契約を開始した人が返済期間30年のものに入ったとしても、返済が終わるはずの62歳の時、払い終わっていない返済額と未払い利息が残ってしまい、年金がもらえないのにもかかわらず返済額の請求を迫られることもあります。
これは住宅ローンの場合ですが、実は変動金利という名前の金融サービスは他にもあります。あまり気づかれないことも多いので、それを紹介したいと思います。
「子どもの教育ローン」の意外な落とし穴
次に気になる変動金利の商品は「教育ローン」です。家を買うほどの金額ではないものの、数百万ほどローンを組む人もいるのではないでしょうか?
ある銀行では固定金利と変動金利が得ら選べるようになっていて、固定金利で4.5パーセント、変動金利で3.4パ―セントです。またある銀行では変動金利のみの取り扱いで、担保が設定できるなら2.975パーセントとなっています。教育ローンの変動金利は1年に2回所定の優遇金利の見直しで、返済額の限度額はなく、上昇すればそのまま返済額に反映されます。
教育ローンは住宅ローンと違い、返済額は少ないですし、返済期間も短いです。計画を立てて利用すれば金利上昇があったとしても軌道修正はしやすいのかもしれませんが、返済期間は決まっているため、返済期間中の家計の収支の調整は必要だと思います。
状況に応じて変動型でお金を貯めることも
最後にお金を借りるものではなく、預けるものとして定期預金を紹介します。
定期預金は一般的に固定金利ですが、変動金利の定期預金もあります。ある銀行の定期預金はスーパー定期6か月の店頭金利に連動し、6か月ごとに見直しをするものになっています。
変動金利なので、金利が上昇すれば預金につく利息は増えてきます。現在、住宅ローンの変動金利が低いということは、定期預金の変動金利は低めで年0.03パーセント程となっています。もともとそれほど多い金融商品ではないので、金融機関は少なめです。
このように、変動金利の活用の仕方を幅広く見ることで臨機応変に使いこなせるといいですね。(執筆者:堀口 雅子)