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ストレス性疾病は保険会社としてはできるだけ引受けたくない
保険会社の対応は消極的か積極的かどちらかだ。ストレス性疾病は、患者数の見通しが立てにくく、病気を判断する医学的な根拠が明確でないため、保険会社としてはできるだけ引受けたくないのが実情。就業不能に対して保険給付を行う保険商品は、ストレス性疾病に対する給付は不担保とする保険会社がほとんどだ。
例えば、
・日立キャピタル損害保険 「就業不能保険・リビングエール」の「精神障害補償特約」の販売を中止
・ライフネット生命 「就業不能保険・働く人への保険」は精神障害は不担保
気分[感情]障害の患者数は倍増
厚生労働省の調査によると、うつ病等気分[感情]障害の患者数は、2011年で95.8万人。1999年が44.1万人だったの対して倍増している。そして、気分[感情]障害から就業不能になる人の割合も高くなっている。
積極的に保険として引受しようと動き出した「チューリッヒ生命」
同社は、うつ病や統合失調症などのストレス性の疾病にかかった場合の入院限度日数を最長1年間とする医療保険をすでに2013年6月から販売を開始。2014年7月からストレス性疾病による就業不能を支払対象とする収入保障保険を発売。
該当するストレス性疾病により入院し、かつその入院が60日を越えた場合に年金形式で保険金が支払われる(一括受取も選択可)。
※年金が支払われる期間は1年間あるいは2年間(契約時に選択)
・統合失調症、統合失調症型障害および妄想的障害
・気分[感情]障害
・神経症性障害、ストレス関係障害および身体表現性障害
・摂食障害
・非器質性睡眠障害
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・潰瘍性大腸炎
・過敏性腸症候群
・更年期障害
ストレス性疾病の引受は保険会社としてのリスクは非常に高い。そのリスクに対して積極的に保険引受をしていこうとするチューリッヒ生命の姿勢はすばらしい!
保険料とのバランスを考慮して、加入検討が必要
保険会社のリスクが高いということは、当然のように、ストレス性疾病による就業不能を保障する特約の保険料は高い。
ストレス性疾病保障付就業不能保障特約が10万円の場合、
保険料は、月々2,870円
主契約の収入保障保険10万円と合わせて、月々5,400円。
検討の際は、ご自身でリスクを見極めた上で、精神疾患に対する保障を確保するべきかを検討いただきたい。(執筆者:釜口 博)