「大きな利益はいらないけど、安全で、物価の上昇に負けないような、むしのいい運用方法はないのかしら?」と思っている、そんなあなたにぴったりの金融商品があるのです! それも、あの「NISA」が使える!! って。というお話の続きです。
それは…物価連動国債に投資する投資信託です。
では、そもそも「物価連動国債」ってな~に? というところから始めましょう。
目次
「物価連動国債」とは?
国債は、基本的に固定金利の商品です。毎年決まった利息がもらえ、満期まで持てば元本も保証。預貯金よりも利率は多少高く安心して持てる資産なのですが、やはりインフレ時代に向いている投資先とは言えません。
しかし昨年、発行が再開された「物価連動国債」は、固定金利でありながら、物価(全国消費者物価指数CPI)に合わせて元本部分が増えたり減ったりするため、物価が上がればもらえる利息も増えるのです。
たとえば、利率が1%の国債を額面100万円購入したとしましょう。通常の国債だと、もらえる利息は税抜きで半年ごと5000円ずつ、年で10,000円です。
しかし、物価連動国債だと、年2%の物価上昇であれば、半年後の元本部分が101となり、その1%が利息となりますので、もらえる利息は税抜き5,050円、1年後の元本部分は102となり利息は5,100円となります。もちろん、物価が下がればその分、元本部分も減りますのでもらえる利息も減ってしまうことになります。
消費税の影響も加味される
さらに、CPIは、消費者が実際に支払う価格で算出されるため、消費税分も含まれます。今後、消費税がさらに引き上げられることを考えると、心強いところです。
ちなみに、総務省が毎月公表している直近のCPIは、前年同月比3.6%の上昇(2014年6月)となり、2010年(平成22年)を100とすると、103.4となっています。
さらに使いやすい商品へ
満期まで持てば元本保証
この「物価連動国債」、以前は満期償還時に物価が下落していれば元本割れになっていたのですが、改正があり、今では満期時に物価が下落していても、元本で償還されるようになりました。もちろん、物価が上がっていればその分増えて償還されます。
個人でも買えるように
また、個人では購入できなかったのですが、税制の改正により、2015年1月の発行分から個人でも購入できるようになる予定です。ただし、物価連動国債は債券ですので、NISAは利用できません。
“むしのいい”運用商品をお探しの方にピッタリの「物価連動国債ファンド」
しかし、実はこの物価連動国債に投資する投資信託「物価連動国債ファンド」であれば、NISAを利用し、収益について非課税とすることができます。
リスク分類も、多くが5段階のうち「1」となっていますし、手数料である信託報酬も国内債券に投資する投資信託とほぼ同水準です。
・インフレリスクから資産を守りたい
・NISAを使いたいけど株や不動産は嫌だ
という方にとっては選択肢の一つとして考えてみてもいいのではないでしょうか?
NISAの条件も拡大方向に検討されています。制度に振り回される必要はありませんが、お得な制度はお得に使って、上手に資産を守っていきましょう!(執筆者:時川 郁)