連れ子の立場のあなたへ
現在の父との養子縁組手続きを忘れていませんか? H家は6人家族。ご父母ともに再婚です。父には先妻との間に子が2人。母に先夫との間に子が2人います。現在の夫婦の間には子がいません。父が亡くなった時、母の子(連れ子)には相続権がありません。
法定相続人は、現在の妻と、父の先妻の子2人となり3人です。母の連れ子が現在の父の財産を相続するのには、現在の父と養子縁組すれば、法定相続人になります。再婚したものの、連れ子と養子縁組手続きがなされていないケースがよくあります。現実に実の子のように育てられているのならなおさらです。父の先妻の子との調整も含め是非父に検討すべき重要課題であることをお話しください。
再婚された父へ
実子と養子(母の連れ子)の話し合いはむつかしいです。実子と養子への思い(分け方)を決めたら、公正証書遺言の作成です。
実は、連れ子の養子は相続税の節税対策にもなります。一般に相続税の基礎控除の計算をする場合の法定相続人の数に含める被相続人の養子の数には制限があります。民法と相続税法では違うことがあるのです。
(2) 被相続人に実の子供がいない場合二人までです。
一見、母の連れ子を二人とも養子にした場合、養子の制限にかかりそうですが、例外規定があり、
との規定で
母の連れ子二人とも民法上も相続税の基礎控除の数としても含まれることになり、法定相続人の数は3人⇒5人となります。平成27年1月1日以降に相続が発生した場合の基礎控除は、4,800万円⇒6,000万円となります。
連れ子のある方と再婚された方、連れ子の立場のあなた、是非一度戸籍謄本などで養子の有無の確認をお勧めします。(執筆者:橋本 玄也)