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平成27年2月3日に成立した平成26年度補正予算及び「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を踏まえ、住宅金融支援機構より制度拡充の発表がありました。
【フラット35】Sの金利引き下げ幅を年▲0.3%⇒▲0.6%に拡大
実施内容(2)
融資率9割超の上乗せ金利を 0.44%⇒0.13%に引き下げ
*制度拡充開始はH27.2.9資金実行分~制度拡充終了はH28.1.29申込受理分 となっています。
*但し、この制度拡充には予算金額があり、予算金額に達する見込みとなった場合は制度拡充終了日は前倒しとなります。受付終了の場合は、終了する約3週間前までに、フラット35サイト等でお知らせがあります。
実際に【フラット35】Sの金利引き下げを適用した場合
<融資率9割以下>
(返済期間15~20年)⇒0.50% (通常1.10%から▲0.6%)
(返済期間21~35年)⇒0.77% (通常1.37%から▲0.6%)
いかがでしょうか。これから新築で性能の良いお家を建てようと計画しているような方には大変魅力的な住宅ローン【フラット35】s だと思います
。
そもそも【フラット35】sとは、省エネルギー性・耐震性などに優れた住宅を建てる場合に、【フラット35】の借入金利を一定期間(5年・10年など)引き下げる制度です。
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(1) 認定低炭素住宅
(2) 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」に基づく「住宅事業建設主の判断の基準」に適合する住宅(一戸建てに限る)
(3) 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅
(4) 高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可)
(5) 長期優良住宅
(金利Bプラン基準)
(1) 省エネルギー対策等級4の住宅または断熱等性能等級4の住宅
(2) 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
(3) 免震建築物
(4) 高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
(5) 劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅
(共同住宅等については、一定の更新対策が必要)
上記基準に該当するか否かの判断は、個人ではなかなか難しいものがあります。建設業者さんによっては、そもそも必ずA・Bどちらかの基準をクリアしている住宅の場合もあります。分からない場合は、住宅ローン【フラット35】S利用の旨、業者さんに伝えた上で業者さんにどのプランのどの基準に該当する建物なのか判断してもらうのも一つの方法です。
【フラット35】Sを利用する際、原則、設計時・中間・竣工時と3回の物件審査、検査を経て検査機関より「適合証明書」の交付を受ける必要があります。建設計画段階の、業者さんが決定したタイミングで、住宅ローンは【フラット35】も候補に入れていて、「適合証明書」の交付が受けられる家かどうか確認したい旨を早めに伝えておくのもよいと思います。
金利面だけでなく、【フラット35】借入にかかる諸費用(団体信用生命保険・融資手数料・上記物件検査費用等)なども考慮し、総合的に他の住宅ローンとの比較をしてみるとよいでしょう。
今回の制度拡充も踏まえ、少なくとも、「変動金利型」や「固定期間選択型」と並ぶ有力な候補・選択肢として「全期間(長期)固定金利型【フラット35】」は検討に値する魅力があるのではないでしょうか。(執筆者:金子 亮太郎)