2月・3月は4月の入学へ向け、受験生の方は、入学試験が続きます。お体気をつけて下さい。ライフプランのご相談においても、この時期は、教育資金のご相談が増えます。
残念ながら、銀行金利をみても雀の涙ほどの利息しかつかない中、積み立てがいいのか、学資保険がいいのか、あるいは貯蓄性のある保険を利用するのがいいのか、皆さんお悩みどころです。
ここで、誤解のないようにお伝えしたいのが、それぞれの金融商品には特性があり、メリット・デメリットがあります。どれかが、一方的に得ならば、その商品が圧倒的な支持を受けそうですが、現実の世界ではいろいろな考えの下、どれかの商品に集中することは、ありません。
ということは、ご自身のライフスタイルに見合った商品をメリット・デメリットを考慮したうえで、選択することが大事です。選択する前に考えておきたいことは、大学入学に備える教育資金を使う時期は、高校3年生の秋~に定まっていることです。そうしますと、あまりリスクの高い金融商品で運用するというより、元本が保証または確保されている商品がよいと考えられます。
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目次
積み立てたお金は窓口の向こうでどう運用されるの?
次に、皆さんが何らかの方法で積み立てを始める場合、銀行・郵便局・保険会社へお金を預けられた場合、それぞれの金融機関では、そのお金をただ金庫で保管していても金利はつきませんので、何らかの方法で資金を運用します。
元本確保の資金運用としては、「10年国債の利回り」にヘッジするべく運用いたします。つまり、どの金融機関でも窓口の向こう側は、国債の利回りで運用されるということになります。
例えば、平成27年1月の10年国債の表面利回りは0.3%となっていますので、この金利を元に各社利息を複利運用しながら、満期時まで運用を行い、約定の利息をお客様に返すことになります。
つまり、運用成績は積み立て預金でも、保険でもそう大きく違いはありません。逆に言うと、各社の経費率の差や、貯金・預金の利息に対する利子税か保険の長期保有(5年以上継続)の一時所得かという税金の差が、選択に影響を与えます。
貯蓄と保険どちらがお得? 具体例で見てみよう
それでは具体例で見ていきましょう。
30歳男性、お子様誕生で学資積み立てを希望。
児童手当(3歳まで1.5万円/月額以後15歳まで1万円/月額)を活用し、
毎月1万円程度の資金積み立てを始めた。
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1. ネットバンクで定期積み金を選択した場合
1年運用0.2%の適用金利が15年適用と仮定した場合(定期積み金の仕組みは、最初の月は1万円の定期預金を15年継続、翌月の1万円は14年11ヶ月運用…最後の月は1万円を1ヶ月運用という仕組みのため、毎月適用金利は変わります。)した場合、
税引き後受取額 1,816,844円
となり、16,800円増えます。
2. 学資保険に加入する選択
A社学資保険に加入した場合 (払込期間 17年)
17歳受取額 2,000,000円 (62,000円増額 一時所得となるため、50万円控除)が適用されるため課税なし
保険機能として、契約者(父親)がなくなった場合以後の保険料は払い込みが免除となります。
3. 払込期間 低解約返戻型終身保険15年払込に加入し、17歳時に解約する選択
保険機能 死亡保障額 2,800,000円
という結果となりました。
定期積み金に比べ保険商品のほうがお得な感じですが、定期積み金は毎月金利がその都度適用されるため将来へ向けて金利が上昇するようであれば、より多くのメリットが生じます。
また、学資保険や低解約終身保険は、途中解約時の返戻金は預け入れ額より少なく、特に低解約型の終身保険は最大7割程度の返戻率となるため、がんばらなければなりません。
高い返戻率を維持するためには、そのためにデメリットとなる仕組みがあります。15年後に結果がわかることになるため、保険がお徳か貯金がお得かの結論は、加入時点では結論できません。ご自身にとって、継続可能なプランを選択することが重要です。(執筆者:渡邉 誠)