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株投資をちょっとでもかじっている方なら誰もが注目している、アメリカ利上げのタイミング。現時点で、6月の可能性は0ではなく、12月の可能性も無きにしも非ず。しかし、一番可能性が高いのは、9月のFOMCでの利上げ発表かと。
その根拠となる要素は幾つもあるのですが、例えば、フェデラルファンズ・レートなどなど。ただ、ここでは利上げのタイミングを予想するのがメインではなく、今年中にほぼ確実に実施されると思われる利上げ前に、個人投資家はどんな銘柄を仕込んでおくべきか考えたいと思っています。
先ず考えたいのは、アメリカの利上げ実施による日本経済への影響について。どんな影響があるか、1点に絞って考えると…
目次
更なる円安ドル高
執筆時点で1ドル約120円となっていますが、利上げが行われれば少なくとも1ドル124~125円を目指すことになると見ています。将来のアメリカ利上げを見込んでの円安は進んでいますが、円安余地はまだ残されていますので、利上げ後の1ドル124~125円という予測は妥当でしょう。ただし、その他要因が絡み、利上げ前に124~125円を目指す可能性は十分にあります。
銀行預金をする時、なるべく金利の高い銀行にお金を預けたいと思いますよね。外貨に関しても同様で、金利の高い通貨に世界マネーが流入します。つまり、米ドル金利が高くなれば、米ドルが買われることになり、さらなる円安ドル高は必至です。
そうなると、日本経済へのメリットは何かというと…
輸出企業の営業益上振れ
日本の輸入企業はダメージを受け、円安となれば海外旅行も行きづらくなりますが、日本の輸出企業の営業益は増加することになります。想定レートよりも円安ドル高になれば、その分営業益が増加しますので、各社設定の想定レートを含め輸出企業の動向は要チェックです。
では、どの輸出企業銘柄を今のうちに仕込んでおくと良いのでしょうか? ここで一つ参考にしたいデータがあるのですが、それはインターブランド・ジャパン(ブランドコンサルティング会社)が発表した「Japan’s Best Global Brands 2014」です。
簡単に要約すると、世界で評価されている日本ブランドトップ30。海外売上高比率が30%以上であることが選別基準の一つに設定されているランキングでして、ランクインしている企業は、今後の更なる円安の恩恵を受けやすい企業であると言えます。
では、Japan’s Best Global Brands 2014のトップ30社を以下の表でご覧ください。
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この30銘柄(レクサスはトヨタのブランドなので、実質29銘柄)、今後株価が必ず上がると保証されているわけではありませんが、海外での売上が30%以上あることを考えると、少なからずとも円安の恩恵にあずかれると思います。
お手頃株として注目したいのは、日産(7201)、リコー(7752)、野村ホールディングス(8604)、コニカミノルタ(4902)。この4社はすべて15万円以下で1口購入することができます。
今後株価上昇余地が高いと考えられるのは、本田技研(7267)、日産(7201)、リコー(7752)、マツダ(7261)あたりかと。この4社のPERとPBRはかなり低め。割安で放置されているとまでは言えませんが、上昇余地が残されている数値です。
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お気付きかもしれませんが、取得金額が安く、PER・PBR低目の会社は日産(7201)とリコー(7752)。とりわけリコーは、出遅れ銘柄としてイチオシです。
会社概要:複合機や商業印刷機を手掛ける事務機国内大手。構造改革、円安寄与で連続増益中。
配当:34円
優待:有り
3月⇒100株以上保有で、ラグビー観戦会(抽選500組1,000名)、日本科学未来館の招待券(抽選1,000組2,000名)
9月⇒卓上カレンダー
3月末日が権利確定日となっていますので、株価はすでに高値圏に。今は手を出さずに、株価が下がったところで買うのがベターです。買うなら1200円以下が狙い目か。
また、もう1社忘れていけないのが、大本命のトヨタ(7203)。オリンピックのトップパートナー契約を締結したばかりのトヨタは、企業価値そのものがさらに高まっていくと予測できます。株価はすでに8500円越えとなっていますが、大台の10000円が視野に入ったかもしれません。
≪まとめ≫
◆利上げ前に「日本ブランドトップ30」から選別し仕込んでおく
◆特にリコー(7752)が狙い目
それでは、アメリカ利上げXデー前に仕込みの準備を進めていきましょう!(執筆者:堀 聖人)