人の不幸は蜜の味などと言いますが、人の不幸は蜜の味であっても、不幸が自分に降りかかってきた時には、洒落になりません。そして、愛する家族にも……
誰にでも降り掛かってくる可能性が高い不幸に相続があげられます。あなたは相続対策をどうしていますか?
「そもそも、相続争いをするだけの財産はないし……」
「我が家はみんな仲良しだし……」
相続なんて一切関係ない! などと放置をしていると、相続問題はある日突然やって来て、あなたの愛する家族を襲うのです。
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目次
あなたの遺族も昼ドラ化
考えてもみて下さい。相続争いが起きそうなほどの資産があれば、生前に手を打っておくでしょ?
よほど税金を払いたい人や相続争いをあの世から見たい人は別として、財産があれば遺族の間で揉めることを事前に防ぐ対策を練ります。しかし、たいした資産もないし、平気だろう……と、油断していると相続問題になって、昼ドラも真っ青な展開になるのです。
怖いのは「配偶者」
それぞれの問題に、それぞれの要因があるのですが、厄介なのは「入れ知恵」されるパターンです。「相続するだけの財産は無いし、我が家はみんな仲良しだし……」と言うのはその通りだと思うのです。
ですが、「我が家はみんな仲良しだし……」に入り込むのが「入れ知恵」なのです。この「入れ知恵」も、第三者からの入れ知恵ならばたいしたことないですし、いくらでも対応が可能なのです。「これはなかなかの……」となるのが「配偶者」からの入れ知恵なのです。
ちょっとしたボタンの掛け違い
例えば、1男1女の子どもを授かったとしましょう。
特に目立った財産もなく、生命保険がわずかと、ローンを払いきったマンションがあるだけ。旦那さんが亡くなって、相続となった時に、生命保険なんてわずかだし、葬式代を差し引いて、相続税を払ってしまえば殆ど残らない……
マンションだって、旦那さんの奥さんが暮らして行くだけで……などと考えていると大間違い。1男1女の子どもたち、長男はお嫁さんを貰って、長女は嫁いでいるわけです。長男、長女は昔から仲がよく、お金にも執着心が無いとなっても、長男、長女にも子どもがまたいるわけで……
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その子どもたちにお金が掛かる時期となれば、長男のお嫁さんが
とボソッと。
長男も何の気なしにそのまま母親に
と聞いてみると、可愛い孫のためと母親は「はいよ」と百万円を差し出す。それを誰から聞いたか知らないけれど、長女の方だって
と。長女は自分の旦那に「お兄ちゃんばっかりズルいよねぇ~」と別にお金が欲しいわけではなく、ズルいズルくないだけの話しをすると旦那から
と、まっとうなご意見を貰う羽目に。
そして、家族が何の気なしに集まった時に、長男の嫁さんに長女が
と何気ないひと言。すると長男の嫁はカッチーン! 家に帰って旦那である長男に
とけしかける始末……
あとは泥沼の昼ドラです。長男、長女の配偶者だって悪いわけではありません。入れ知恵にもなっていないのです。誰も悪くないのに、ちょっとしたことから揉める原因は生まれてしまうのです。
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お金だけではない、厄介な相続
お金が欲しいとか欲しくないとかの問題ではなく、ややこしくなるのは入れ知恵からの感情の拗れなのです。感情が拗れたら修復はまず不可能です。元を正せば相続対策さえしていれば、こんなことにはならないわけです。事前に防ぐには、次のことをするだけ。
『遺言書を書く』
相続対策は愛する遺された方々の為だけにするのです。(執筆者:中村 毅)