今回は「マネーの達人」編集部に寄せられた質問についてQ&Aで回答していきますので、似たような悩みでお困りの方は、ぜひご参考になさってください。
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目次
Q. 先日、祖母が亡くなり、遺産を孫にという遺言書がありました。その際贈与税はどのくらいかかるのでしょうか?(30歳既婚女性 東京都)
A. このようなケースを遺贈(いぞう)と言います。
お孫さんが相続人以外であると仮定した場合でも遺贈は贈与税ではなく、相続税の対象となります。ですから贈与税に比べ、グッと税率が低くなります。ただしお孫さんは相続人ではないので、2割加算されることに注意が必要です。
Q. 姉弟で遺産を分ける場合、遺言書がなければ一般的にどういった配分になるのでしょうか?(55歳既婚男性 大阪府)
A. 相続人が姉と弟のお二人のみと仮定してお答えします。割合は半分ずつになります。
次にどういった分け方になるのかというと、民法では、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切を考慮してこれをする」とあります。(906条)
つまり簡単に言うと「相続人同士で話し合って決めなさい!」ということなんです。これがトラブルの元になります。そのトラブルを防止する最も有効な手段が遺言書です。
Q. 独身の妹が、遺産を親族に分けたいと言っています。どうなるのでしょうか?遺言書に書いた方がよいのでしょうか?(76歳独身女性 山梨県)
A. ご相談者様は70代なので、ご両親が亡くなっていると仮定すると、兄弟が相続人となります。兄弟が亡くなっている場合はおい、めいが代わって相続します。これを代襲相続と言います。おい、めいが亡くなっている場合は、おい、めいの子は相続権がありません。(再代襲しません)
先ほどの回答のように、誰がどのように相続するかは、兄弟や亡くなっている場合はおい、めいを加えて、話し合って決めるということになります。
兄弟やおい、めいには遺産の最低限を請求できる制度(これを遺留分と言います)がありません。ですから介護などで世話になった親族などに多く遺産を相続させたい場合や、特定の親族などに全額相続させたい場合、遺言書でその旨をきちんと書いておくことが、トラブルを回避する手段となりますし、妹さんの「想い」を実現することにもなります。(執筆者:中森 学)