自動車を運転するのには運転免許が必要ですが、FXには「免許」がありません。そのため、「危険運転」により自身の資産を大きく減らす人が後を絶ちません。
そこで、今日はこのような「危険運転」をさけるため必要不可欠な「損切りの重要性」をお伝えします。
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目次
FXで多くの人が負ける理由
FXで、負ける人とは「たくさん損をした人」です。これはつまり、「損切りができなかった」人です。彼らの多くは、1発の負けですべての利益を吹き飛ばします。これが、鉄板の負けトレードです。
こういった人たちは、それまで勝っていた人が多く、「これならイケるんじゃないか?」と自信過多となり利益に目がくらみ、取引数量を増やして自滅することが多いです。
初心者ほど自分のトレードを過信します。はじめての何回かのトレードを連続して勝つと、「自分はトレードの天才かもしれない。」と錯覚します。(事実、僕も思ったことあります笑)
しかし、勝ち続けるトレーダーなんていません。絶対にいつかは負けます。負けたとき、損切をしっかりできてこそ初心者を脱出できるといえます。大切なのは勝率よりも「市場から退場させられないこと」です。
イタいのは「相場観で負けること」ではなく「資金管理で負けること」
中学校の時、体育の授業で、柔道を習いました。
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その時にまずはじめに習ったのが「受け身」でした。
当時は、「なぜ、負ける前提のこんな地味な動作から練習するんだろう? 背負い投げとかかっこいい技から教えればいいのに」と思っていました。
でも、違うんですね。
柔道において大切なのは大ケガをしないこと。受け身を習得してはじめて技をかけることができます。
FXも同じです。
「損切り」は負ける前提の地味な動作ですが、資産が壊滅的なダメージを受けないために必要なこと。損切りをしっかり習得して初めて、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析が活きてきます。
「市場から退場させられない」
そこが初心者にとって一番大切なことです。これを習得せずにテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を考えるのは本末転倒です。
一度ポジションを持つと保有効果が働く
行動心理学に「保有効果」というものがあります。これは、「自らがいったん保有したものはなかなか手放すことができない」というものです。「ためしに1か月だけ使ってみて下さい」という返品保証をうたった通販等もこの心理を利用したものです。
FXの罠はここにあります。
持っているポジションが評価損となっても、「一度もったポジションだし、長い時間もちつづけたポジションだから簡単に手放すのは嫌だ」と思ってしまいます。
保有効果を克服する方法はただ一つ
この人間が本来持つ心理状況を克服する方法は一つ。
エントリーの時に「ここまできたら諦める」と損切ラインを決めることです。
「諦める」って言葉のイメージがなんとなく悪いですが、FXの場合はいつでもチャンスはやってきます。「損切り」はそんなチャンスのときに再び挑戦できるように、戦える資産を残しておく「攻めの一手」です。
多くのプロも常に損切ポイントを決めてエントリーします。古典的ですが、「○○で損切り!」と実際に声に出すのも有効です。実はこれ、プロディーラーでもやっている手法です。
つまり、この先あなたはたくさん負ける
言い方は悪いですが、あなたは負けます。必ず勝てる投資などないです(あったらそれは詐欺かカモです)。
とにかく大切なことは、常に負けることを想定することです。「FXは2回に1回は負ける勝負」とはじめからマインドセットを変えるのです。(これを2.2回に1回などにしようとするのが各種分析なのですが)
そうすることで意図する方向と逆(アゲインスト)に言った場合でも、「2回に1回の負けが来た」と躊躇なく損切りをすることができます。
エントリー前に心がけること
ちなみに、利食いのラインは損切のラインと同等の値幅かそれ以上で設定する必要があります(利食い>損切り)。
そもそもそれが期待できないトレードはしないこと。「なんとなく」でエントリーはせず、損切りと利食いポイントをしっかり決めてからエントリーをしましょう。(付け加えると、利食いポイントを変えるのは結構ですが、損切りポイントを変えることはやめましょう。ずるずる損を拡大させることにつながります。)
そして、投資効率に見合った期待値の高いトレードを重ねていきましょう。
今後あなたは、負ける。
だけど資産は増えていく。
そんな投資家になれるよう心から願っております。(執筆者:国府 勇太)