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「マルサが2014年度に摘発した脱税総額は150億円」
先日のニュースでこのような記事が話題になっていましたが、私自身マルサの調査現場を見たことがあります。
ニュースの通り、強制執行権を持つマルサの権限は絶大です。朝一番、調査対象の会社はもちろん関係先に100人以上の規模で国税局員が一斉にガサ入れ開始。まるで強盗がピストルを持って銀行に入ったように「動くな!」といった感じです。
トイレも自由に行けません。壁や床をはがすのも当たり前(もちろん後日元に戻してくれますが)パソコン等も押収します。
脱税者は税理士にも嘘を言っていたわけですから、はっきり言って税理士他、関係者はいい迷惑です。
マルサが入ると、数か月間、ほぼ毎日、執拗に調査され、刑務所に入れられることも少なくありません。さすがにマルサに入られ、刑務所にいれられた脱税者は、もう二度と脱税しないだろう…とみなさん思うと思いますが、刑務所から出てきて「糖尿病が直って良かった」と言っているくらいですから、マルサもすごいけどマルサに調査される人もある意味スゴイと思います。
「公平な課税」はマルサのような組織がなくては実現できません。
メディアでは面白い脱税の手口ばかりが注目されますが、調査の現場を見ていると、嫌われ役を買って出る国税局員にもっとスポットライトを当ててもいい気がします。みなさん、違法な脱税の前に合法な節税を!(執筆者:松岡 敏行)