総務省が発表した、2人以上の世帯における1世帯当たりの平均貯蓄高は1798万円だそうです。これ、一般的な感覚からするとかなり高いのではないでしょうか。
もちろん、平均値と中央値では違うのですが、このデータによると中央値も1,052万円とかなり高いです。
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そこで、30代、40代の方に向けて、よりリアルな貯金額が気になったので調べてみました。今回参考にしたデータは、
金融広報中央委員会がまとめたもの。
金融広報中央委員会とは、都道府県金融広報委員会、政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等と協力して、中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行っている組織です。それによると、上記ではわからなかった意外な結果がわかりました。
目次
30代の平均貯蓄額は379万円
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このデータによると、30代の平均貯蓄額は
379万円でした。中央値になるともっと減少し、
200万円です。
先述の1798万円(こちらは2人以上の世帯における1世帯当たりの平均貯蓄高ですが)と比較するとずいぶん実感しやすいものになったのではないでしょうか。
そしてこのデータによると、30代の30%近くが金融資産を保有していないそうです。30代は結婚、出産などライフイベントが重なりなかなか貯金をできないという背景があるのかもしれません。
40代の平均貯蓄額は700万円。
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次に、40代を見ていきましょう。データによると、平均貯蓄額は
700万円。中央値は
225万円です。
40代になると、平均値と中央値のかい離がみられます。30代と中央値にはほとんど差異はないのに、平均値が大きく上がっているということは「持つものと持たざる者」の差が広がっているということですね。
なお、金融資産をそもそも保有していない層は32.6%と30代よりも比率が増加していることがわかります。40代は子供の進学や住宅ローンなどで金融資産を形成する余裕がないということでしょうか。
世代間で格差は拡大していく?
まとめると以下です。
・世代が進むにつれ、平均値と中央値の差が広がる。
みなさんがどの世代であってもまだ間に合います。日々の支出を少しずつ抑えて、貯金をし、金融資産を作りましょう。
トマ・ピケティではないですが、資本と労働力の歴史的な関係を踏まえると、今後も資産に働いてもらうことがさらにお金を生む好循環を形成します。
正しい金融リテラシーを身に着け、一緒に未来に向けてコツコツと資産形成をしていきましょう。(執筆者:国府 勇太)