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最近は雑誌などでは富裕層向けの記事が多くみられます。
これは、今年から相続税の基礎控除額が減額されたことによる影響がもあると感じています。(相続税の基礎控除とは、ある一定額までなら相続税は掛かりませんよ! という基準の金額の事です)
例えばどのような記事があるかというと、
住宅資金贈与の活用法は?
生命保険で資産防衛!?
賃貸不動産で相続税をゼロにする!?
タワーマンション節税は本当に有りか!?
等々、挙げていけばきりがないくらい取り上げられています。
では、これらの事を行ってその後何もしなくてよいかというとそうではありません。翌年の確定申告の時に各種の申告を行わなくてはなりませんね。
目次
「財産債務調書」が必要に 罰則規定も
今お金持ちの人も、将来お金持ちになりたい人も知っておくべき事ですが、来年の確定申告より「財産債務調書」というものを記載提出しなくてはならない方がいます。
参考:国税庁HP「財産債務調書」
今までは「財産及び債務の明細書」というものでした。この書類については、提出しなければならないとされていましたが、提出しない場合の罰則については規定されていませんでした。しかし、来年の「財産債務調書」からは罰則規定もあります
比べてみると、「財産債務調書」の方が細かく書かないとならないことが分かります。
提出が必要な方
提出する方の条件は、以下のような収入と資産のある方が対象です。
(2) その年の12月31日において保有する財産の価額の合計額が3億円以上
又は、国外転出課税の対象資産(有価証券等)の価額の合計額が1億円以上の者
上記二つの条件ををどちらも満たしている方が対象です。
(例・年収3000万円だけど財産が5000万円しかないという方は対象外となります。)
記載内容
また、記載内容ですが、従来の方式は財産の種類、数量及び価額を記載すればよかったのですが、これからは財産の所在や有価証券の銘柄等の記載も必要となりました。
より具体的にどのような資産を保有しているのかを伝える必要があるということですね。
強まる財産把握の傾向
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来年度から始まる
マイナンバーもそうですが、
誰が、何を、どの位保有しているのかが今後把握されていく制度になるようです。(マイナンバーの預金等への紐付けは2018年運用予定)
もっとも、現在においてはこの条件に当てはまる方は多くはいらっしゃらないと思いますが、今後お金持ちになりたい方はこういった制度になっていることを知っておくことも大切ではないかと感じます。
税制に関しては毎年何かしらの制度改正があります。新聞・雑誌等でも紹介されますので興味をもってご覧頂ければと思います。(執筆者:瀧澤 宏行)